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万葉集と植物。

作成者: 寺下 真司|2019年5月14日

日中は夏を感じるぐらい、肌寒い春とはうって変わって暑い日々になりましたね。

この時期にお茶のお稽古をしていると、風炉の前に座り手前をすることになるのですが、釜の中の湯と炭の熱で汗だくになります笑。

また日が沈むと雨蛙が求愛の歌でしょうか、周りには田んぼが多いため、蛙の大合唱。

夏です。

私たちの仕事はもっぱら外仕事のため、夏は暑くて、冬は寒い中、様々な工夫をして仕事に集中できるようにしているのですが、今年の夏は去年よりも暑いのでしょうか。少し憂鬱ですね笑。

日本最古の和歌集

さて5月1日に改元となり、万葉集という言葉をよくお聞きになるのではないでしょうか。

万葉集は奈良時代の貴族から農民までの当時の幅広い身分の人々が詠んだ4500首以上の歌を集めたもので、全20巻の日本最古の和歌集です。

そしてその4500首以上もの歌の約3分の1が何らかの植物を詠んでいると言われており、150種を超える植物が登場しています。

万葉集と植物の関係をしらべていると、面白いことを調べた方がおられました。

その150種類の植物のうち、どの種類が一番多く詠まれているか。

 

1位 萩(はぎ)

   梅

 ぬばたま(ひおうぎ)

 松

 橘(ニッポンタチバナ)

 稲(田・穂)

 アシ

 桜

 をばな、ススキ、かや

10 柳

 

とのことです。これらの植物の名前から情景を想像することで、日本の風景が思い浮かびますね。

その他にもちょうど今花の綺麗なカキツバタ・アヤメなどもあります。

過去にもこちらの記事でご紹介をしています。

 

 

今は昔と違い技術がすすみ、テレビだけでなく、どこにいてもゲームや映画を楽しみ、また大切な人と話をすることができますが、昔は日々の楽しみといえば、身のまわりの変化に目を向け、それを楽しんでいました。時代時代によって、時間の使い方、楽しみ方は変われど、この万葉集で詠まれているような時間・風景が少しでも受け継がれていけばいいなと思います。そういう意味では今回の改元により、令和という言葉が万葉集から名付けられたことを思うと、これからの日本が大切にしていきたいこと、歴史・文化を紡いでいく上で深い意味があるなと思います。