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歴史を取り入れる

作成者: 寺下 真司|2019年8月6日

毎日、暑いですね。毎年恒例の地元の花火大会に参加してきました。30分間と非常に短い花火大会ですが、地元ということもあり気軽にいけるので、娘たちも楽しみにしている毎年の恒例行事です。

 

さて、信じがたいですが、暦の上では今日から秋。

立秋

気温の高さがピークに達し、炎天下の中、したたり落ちる汗をぬぐいながらの毎日。

ですが、暦の上では秋です。この時期の重要な行事として、お盆があります。

地域によっては先祖の魂を弔うために川に灯篭を流したりします。

 

初候:涼風至 すずかぜいたる 8月7日から12日ごろ

次候:寒蝉鳴 ひぐらしなく 8月13日から17日ごろ

末候:蒙霧升降 ふかききりまとう 8月18日から22日ごろ

 

 

地域にもよると思うのですが、お盆に先祖を迎えるために、お庭の手入れをしてほしいとのご依頼が多く、例年お盆前は大忙しです。

日中は日差しも厳しいですが、日が沈むと少しずつ暑さも和らぎ、秋の虫のざわめきが聞こえ始めます。

 

 

時間、歴史、深まる

私たちがお庭づくりのご依頼を受けるとき、一つ一つお客様の要望をじっくりお聞きして、その要望を形にすべく、デザイン・設計をし、細かなおさまり、材料の選別を行いますが、その中で特に注意していることがあります。

それは、時間と共に、古くならず、深くなっていくか、ということ。

私たちはお庭は作っては終わりではなく、そしてその時点が完成形ではないと考えています。お庭があることで過ごす時間、お庭との関わり方により生まれるストーリが様々な形であり、その中でお庭という空間が時間と共に深くなるべきだと考えています。

以前にもブログの中で書かせていただいたのですが、空間として劣化するのではなく、時間と共に変化し、植物や樹木は育ち、空間として味が出る、深くなることが大切です。

そのために私たちはなるべく自然素材にこだわり、一つ一つの素材が何年後にはどうなっているかということを考えて、またそれらを伝えて、お客様と共に庭づくりをしています。

日本には他国と比べて時間的には短い時間かもしれませんが、日本固有の素晴らしい文化・風土の中で育まれた歴史があります。それらの歴史をお庭づくりに、また空間づくりに活用できるように、日々精進しています。

私の仕事の中で代表的な歴史を表現する技術として、この石積みです。ただいま進行中の物件なのですが、一つ一つ違う石の形状、大きさを考慮しながら、綺麗に積んでいます。これは日本の様々なお城の石積みに使われている技術を元にしたもので、穴太(あのう)積みとか野面(のづら)積みと呼ばれます。

この穴太(あのう)というのは、比叡山の麓に位置する延暦寺の門前町として栄えた坂本の中の地名の一つで、昔穴太衆(あのうしゅう)と呼ばれる石積みの職人集団がいたことから、穴太積みと言われています。

最近もあるお客様にこの話をしたら、聞いたことある、ある!とおしゃっていました。

私たちはその石の積み方を取り入れ、庭づくりの中で、空間演出の一つとして、よく使用しています。

この石積みをはじめ、庭づくりには昔から伝わる様々な技術があります。これらを少しでも未来に伝え、人を育てていきます。

 

 

いよいよ本番間近。

そして8月21日から開催されるWorldSkills 2019 in Russia, Kazanに出場する選手2人、この暑さに負けないように、毎日の練習を頑張っています。8月15日には日本をたち、大会開催までの期間を利用して、地元の子供達との交流など日本代表として国際交流をする予定です。今までの練習の成果を出し切り、悔いのない大会にしてほしいなと思います。皆さまも応援よろしくお願いいたします。

 

 

株式会社近江庭園
お盆休み 令和元年 8月10日(土)〜8月14日(水)まで

*お問い合わせは、15日から順次対応させていただきます。