近江庭園のお庭トーク | 心惹かれるお庭の力があなたのビジネスに新たなバリューを

素材の持つ良さを引き出す。

作成者: 寺下 真司|2019年8月20日

今の季節は、蒙霧升降 ふかききりまとう です。

霧が立ち込めることを蒙霧(もうむ)と言いますが、残暑が落ち着き、朝や夕方にはひんやりとした空気が漂う、、、、はずなんですが、毎日まだまだ暑いですね笑。

ですが、これから一雨一雨毎に、秋に近づき、あっとゆう間に寒くなったよねともう少ししたら、いっているんでしょうね。ここ最近も急な大雨に会い、現場作業がうまく進められないということがありますが、そんな時でも現場では工夫をして、予定通り作業を進めていきます。

お店の中にお庭の要素を

少し前にこちらの記事でご紹介をさせていただきましたが、私たちの庭づくりは建物の外部空間だけにとどまりません。

今回大阪心斎橋にある百貨店 大規模リニューアル工事に伴い、店舗の意匠として天然石を使ったお仕事をさせていただきました。どのような流れで今回完成にいたったのか、ご紹介したいと思います。

まず設計士の方より、店舗の意匠として天然石を使用したい、そしてその石材も丹波にゆかりのあるものを使用したいとのことで今回丹波石の産地に一緒に現物を確認し、選んでいただいたのがこちら。

この石材を用いて、お店の中の商品を陳列する台としての役割を果たします。

 

この石材をどの面をどのように使用するかを検討、協議を繰り返し、使用面を決定し、いざ平になるように平面の加工へ。

 

 

このあと、石材に雨などの汚れが付着しているので、衛生面のことを考えて、洗浄の工程へ。

その後、店内へ。もちろん人力で運びます。重さ700kg程度でしょうか。幸いにも搬入用エレベーターがありましたので、高さを移動する運搬はなかったのですが、水平に移動するにしても、一苦労です。

いざ店舗の中に設置すると、照明の効果もあり、迫力がでますね。

 

設置後の店舗全体の様子がこちら。

店舗の大きさと比べると今回の石材の大きさがお分かりいただけると思います。今回この石材以外にも、テーブルの土台として石積みをさせていただきました。材料は同じ丹波石です。

残念ながら作業中のため、養生シートなどがあるため完成写真ではありませんが、天然素材のもつ力が空間としての締まり、重厚感を出しているのはお分かりいただけると思います。

 

 

素材の持つ良さを引き出す。

今日のテーマである素材の良さを引き出すとは、何気ない近くにあるモノ・材料の良さを見出し、それをどのように表現すれば、伝えられるか考える。そしてそれを表現するために技術力を磨き、その技術力を活かすことにより、生まれます。私たちが扱う材料一つ一つは2つとして同じモノ・形・性格はありません。これらをすべて把握することは、とても難しいことかもしれませんが、技やモノの本質を理解することで、人々を魅了する空間づくりのお手伝いができるように、日々精進していきます。