日に日に雨の降ることが多くなってき、少し嫌な気分になったりもしますが、植物にとっては恵の雨、日に日に元気な表情を魅せています。
さて恒例の暦です。
日本には24つの季節(節気)とそれらをさらに3つずつにわけ、72候があります。
地球の温暖化に伴い、昔に比べると季節に変化が見られるのは確実なのですが、昔から伝わるこの暦上ではそこまで変化していないのではと感じています。これは気候の変化と共に、生物も順応し、微妙な季節の変化とともに成長しているからなのか、とか考えると少し不思議に思う反面、暦を作った人はすごいなと感心します。松本の担当するお庭ストーリーでもお伝えした麦畑がよい例です。
さて6月5日からは新しい節気の始まりです。
芒という字は、イネ科の植物の針ににた穂先のことだとか。つまり稲をあらわす言葉です。ちょうど今の時期から農家の人々は田植えをはじめ、雨の恵を受けて育つ梅雨を迎えます。
*初候:蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日から6月10日ごろ
*次候:腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)6月11日から6月15日ごろ
*末候:梅子黄(うめのみきばむ)6月j16日から20日ごろ
ちょうど6月12日は腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)ですが、この名前の元となっているのは、夜の川辺に飛び交う蛍の光がとても幻想的で、ちょうどこの時期にじっとりとした夏の暑さにで蒸れ、腐った草が蛍に変化したのだと考えだとか。今ではなかなか蛍を見る機会が少なくなってきましたが、蛍狩りのできる場所を探されてもいいかもですね。
滋賀県山東町 天野川
長野県辰野町 松尾峡(まつおきょう)
宮城県登米市東和町 鱒渕川(ますぶちがわ)
京都府京都市 哲学の道など
探してみるとほかにも様々な場所があります。
さて、蛍といえば夜にみる光ですが、私たちが作るお庭にも照明を用いて、昼間のお庭とは違う表情を見せる計画をしています。虫と人を同じにしてはいけないのかもしれませんが、蛍の光しかり、人も虫も光に魅せられるのでしょうね。
人々に喜んでいただくお庭を作る上で最近思うのですが、お庭そのものを追求するだけでなく、お庭を作る上での様々なことを勉強していくと、一つ一つその過程で違うことに気づかされます。上部だけのデザインではなく、本質を知る大変さ、楽しさが庭づくりに携わるものとして、一番の醍醐味なのかもしれません。