今日は、苔シリーズの第3弾、「育て方」についてお話します。
★ハイゴケ と 山苔 を組み合わせて張った苔庭(2014年京都にて作庭)
★室内から苔庭を眺めたところ。 雪見障子によって一枚の絵画の様になる。
管理のしかた
水分について
- 苔の水はけがよく、かつ保水性を兼ね備えた下地をつくることが重要です。赤玉土に堆肥を混ぜるといいようです。苔の品種によっても性質に合わせて下地の具合をいろいろと調整しましょう。
- 水をジャバジャバやらないで湿らす程度にシャワーヘッドノズルかジョウロで水やりしましょう。苔がひっくりかえって裏向いたり、ずれたりしてしまいます。
- 苔には、夜露が不可欠です。毎夜のようにおりてくる夜露は苔にほどよい水分を与え、それを吸収して生息しています。夜露は垂直にまっすぐ降りてきますので、夜露をさえぎる軒などがあると軒下の苔は育ちません。鉢植えの場合は苔の表面が乾いたら霧吹きやジョウロで湿らせるようにしましょう。日課にしてしまうのがいいかもしれません。
日光について
- 陽のあたり加減も、苔の品種によって様々です。日向を好む苔、半日向、半日陰、日陰を好む苔、たいへん環境に敏感です。ナイーブと言うかわがままと言うか、ですから、この苔が好きだからお庭に張りたいと思ってもなかなかうまくいかず、お庭の環境に合った苔を選ぶという考えで張ることで苔のお庭を実現することができるようです。
密集したら透く(播き苔にする)
- スギゴケなどの穂があるタイプの苔は、穂の長さが長くなり、数が多くなってつまってきたら(密度が増してきたら)蒸れるのを防ぐために、目の細かなミニ熊手等で、苔をかきならして穂を透くようにしましょう。弱い穂がぽろぽろと取れてきますので、かき集めた穂先は、「播き苔」という手法で苔の生えていない所に均一に撒いて目土を掛け、数ヶ月間水を切らさないように水やりをします。その際、苔の穂をずらさないようにやさしく水やりをしましょう。風で穂が動くことも避けなければなりません。そのために目土を掛けます。キッチンペーパーを湿らせて被せておくのも穂を動かさないテクニックの一つです。そうしたきめ細かいケアをすることで新たな苔を育てることもできす。
- 上級者向けでなかなか簡単ではありません。コツは、路地に直接繁殖させようとせずにパレット(幅40㎝×長さ60㎝×高さ6㎝ の 格子網目状の樹脂製のもの)で育成し、マット状に芽が詰まってきてからお庭に移植するというステップを踏むといいでしょう。
伸びたらカットする(播き苔にする)
- スギゴケなどの穂があるタイプの苔で、穂の長さが長くなってきたら、生垣を刈り込む刈込みばさみ等でカットしましょう。これも、蒸れから守るためです。蒸せると苔が茶色く変色してしまい、枯れてしまいます。カットする時期は、3月末の春先におこないます。ここで、カットした苔の穂も先ほどの「播き苔」として活用できます。
掃 除
- お庭には苔だけがあるのではなく下草や灌木、中木や高木が植えられていますので必ずそれらの落ち葉が苔の上に落ちてきます。この落ち葉は、苔にとって日陰となり光合成を妨げ、また蒸れる原因となります。環境の大きな変化をもたらし苔にはいいことなしです。落葉掃除と草引きを頻繁に行いましょう。落ち葉は秋だけに限らず年中ぱらぱらと落ちてくるものです。日々の落葉掃除こそ美しい苔の維持には欠かせないメンテナンス作業です。
肥 料
- 苔には肥料はあげなくていいです。あげるとかえって枯れることがあります。水分の中に含まれているミネラルと光合成によってつくられる栄養素で充分生きていけるようです。
苔って、環境にすごく敏感だけれども超省エネですね。夜露と適度(適した)光この二つがあれば生きていける、土もいらない。それでいて人を魅了する美しさ満タン。
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日本の文化 「苔」 を育ててみよう 〜苔の特徴編〜
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