近江庭園のお庭トーク | お庭のプロが厳選するお庭づくり・盆栽づくりのための季節の花だより

プロが教える下草の自然風植栽!3つのポイント

作成者: GardenPorter|2015年10月5日

先日滋賀県の守山市で行われた、庭づくりの講習会に参加してきました!

テーマは「花の庭」で、おもに下草の植栽を勉強してきました。

そこで学んできたことを元に、今日はみなさんに下草の自然風な植え方をお伝えします!

この庭に下草を植えていきます

庭づくりにおいて主役となる樹木は「主木」といって重要な要素ですが、その下に植える下草も同じくらい重要です。

木を植えたはいいけど、足元がちょっと寂しい。。。なんて思ってる方は結構いるんじゃないでしょうか。

そこでおすすめなのが樹木の足元をカバーする下草です。

下草を植えることで樹木がより引き立ち、美しくまとまったお庭になります。

それもただ植えるのではなく、より庭全体を美しく見せる植栽の方法をお教えします。

①常緑性の下草をメインに植える

寂しい空間をどうにかしたいと思い、ついついカラフルなお花をたくさん植えたい気持ちに駆られますが、一旦ちょっと冷静になって考えてみます。

お花の咲く時期は年間を通してわずか。一年草でしたら冬には枯れてお終いですし、宿根草でも春に再び芽を出しても、絶対にお花が咲くとは限りません。

むしろ下草を植える前よりも枯れてしまった後のほうが余計寂しく感じませんか?

そこでまずは、常緑性の下草。とくに細葉のものを土台として植えていきます。

常緑を植えることで、花が終わった後も寂しい思いをしなくてすみます。細葉を選ぶ理由は、葉の形状がシャープなので、たくさん植えてもうるさく見えないからです。

具体的にいうと、ヤブラン、ジャノヒゲ、タマリュウ、ノシランあたりが適しています。

また、それぞれ斑入りの品種を組み合わせることによって、お庭の雰囲気を変えることもできます。

この常緑の下草こそが中核を担う存在であり、上手に植栽すればこれだけで十分にお庭をいい雰囲気にすることができます。

②常緑性の下草の植え方

今回は主にヤブラン、タマリュウ、ノシラン(斑入り)を植えました

ではどこにどうやって植えていけばいいのでしょうか。

ここで少し自然を想像してみてください。

平原に一本の木が生えていて、その枝に鳥たちが羽を休めにやってきます。

そこで種の混じったフンを落とし、やがて発芽し、下草になる。

こうしたとき、まさか等間隔に下草が並ぶことなんてなかなか無いですよね。

ですので、自然風の植栽の基本は「不等辺三角形」です。

こうすることでランダムに植えてある様に見えるのですが、もう一つきれいに見せるポイントがあります。

それは「つけるものはつける、離すものは離す」とうことです。

中途半端に株間の間隔を空けるのではなく、つけるものはぎゅっとくっつけ、離すものは飛ばしてしまう。これがポイントです。

これらの植え方を駆使し、自分がここに花が咲いたらいいな~と思うポイントに間をつくっていきます。

③できた間に花を植えていく

最後はそうしてできた間に、花を植えていきます。

常緑の下草でつくった間を赤線で囲みました。このように、赤線の中に花を植えていきます

宿根草か一年草か、ランナーで広がるのか、ほふく性なのか立ちあがるのか、どれくらい大きくなるのか、色合いはどうかなど、植物の性質をよく考えて植えると、よりいい庭になりますし、植えるのが楽しくなってくると思います。

今回はニチニチソウ、コスモス、アカバセンニチコウ、ユーリオプスデイジー、スイートアリッサムなどを植えました。

完成です!

とても勉強になった講習会でした。

内容が濃すぎてここには全部書ききれませんでしたが、基本のことは大方皆さんに伝えれたかと思います。

また、このような機会があればレポートしていきますので、お楽しみに!

記事・・・飛田亮

山野草の初心者も安心のネットショップ“GardenPorter”(ガーデンポーター)は、9月11日にリニューアルオープンいたしました。

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