今回から始まった「庭師とめぐる、庭めぐり」シリーズ、後編です。
それでは早速、前編に引き続き退蔵院の庭を巡っていこうと思います。
↓前編はこちら↓
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前回紹介した「瓢鮎図(ひょうねんず)」を眺めているとき、隣に気になるものがありました。
この障子、モミジ柄なんてしゃれてるな〜なんて思って近づいてみると・・・。
本物のモミジ使ってる!モミジ入りの障子でした。いとをかし。
日本人とはなんと風流なのでしょう。
ただでさえ紙でできた仕切りという世界に類を見ない障子に、季節のうつろいをプラスするなんて・・・すごすぎます。
1人感動にうち震えていました。
そこからしばらく歩いて門をくぐ・・・おっ!上になにか発見しました!
門の欄干に、ナマズが泳いでいます!いとをかし!
瓢鮎図に因んでナマズとヒョウタンなんですね!こういう遊び心、たまりません。
ですが見ているとこの欄干に気づく人はなかなかいません。それもそのはず、門の先には大きな紅シダレ桜と、「陰陽の庭」と呼ばれる2つの枯山水が広がっているからです。
陰の庭
陽の庭
通路を挟んで対になっているこの2つの庭は、この世の二面性を表しているといいます。
確かに比べて見ると全然違う。陰の庭に敷かれている砂は黒みがかっていて、描かれている砂紋の深さも影が目立つように深くなっています。
そしてこれはたまたまですが、丁度このとき陰の庭には日陰を好むホトトギスが、陽の庭には日光が当たると花開くリンドウがそれぞれ咲いていました。
しばし陰陽の庭を見つめ、再び歩き出すと苔むした手水鉢がありました。
せっかくなので手を洗っていると、地面からなんともいえない心地いい音が響き渡ります。
実はこのつくばい、水琴窟になっていました。
水琴窟とは地中に甕(かめ)が埋まっていて、水滴が地面を伝って甕の中に落ちるときに反響する音を楽しむ日本庭園の技法の1つです。
滝や池、噴水など世界中で水を感じるための装置はいくつも考えられてきましたが、たった一滴で水を感じさせるというのは日本人にしか生み出せない素晴らしいものだと思います。
さて、この先に進むと「余香苑」という大きな見どころがあるのですが、それは行ってのお楽しみということで第1回目の庭師とめぐる、庭めぐりはこれにてお終いです。
楽しんでいただけたでしょうか。また近いうちにでも第2回目の庭めぐりをしようと思ってます。
おまけ
お抹茶をいただきました。ナマズのもちどらも大変おいしかったです。
ナマズが可愛いをかしなおかしでした。
記事・・・飛田亮
山野草の初心者も安心のネットショップ“GardenPorter”(ガーデンポーター)は、9月11日にリニューアルオープンいたしました。
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