近江庭園のお庭トーク | お庭のプロが厳選するお庭づくり・盆栽づくりのための季節の花だより

庭師とめぐる、庭めぐり〜大池寺蓬莱庭園・前篇〜

作成者: GardenPorter|2015年11月25日

今回の庭めぐりは、滋賀県甲賀市にある禅寺「大池寺」です。

大池寺にはいくつかの庭園があり、なかでも小堀遠州が作庭したと伝えられる「蓬莱(ほうらい)庭園」は滋賀県の中でも有名な庭です。

ちょっと変わった庭でもあるので、初めて目にする方はきっと驚かれると思います。

それでは早速見ていきましょう。

駐車場から大池寺に向かうまでの道。

紅葉真っ盛りでした。気分を盛り上げてくれますね。

果たしてこのモミジのトンネルの先にはどんなお寺があるのでしょうか。

期待に胸が膨らみます。

きました、大池寺。庭と自然に囲まれた素敵なお寺です。

ちなみにここはまだ蓬莱庭園ではありません。前庭です。

ここでまず注目してほしいのは左手前にあるマツ。

  下枝がめっちゃ長いんです。

これは否が応にも注目してしまいます。一体どこまで伸ばす気なのでしょう・・・。

でもこのように枝を長く伸ばす仕立て方は、関西の古いお寺やお庭で意外とよく目にします。

私は関東の人間なので、初めて目にしたときはとても驚きました。

皆さんの近くにもありますか?

そして参道の脇の小さな生垣にも注目して頂きたいです。

恐らく樹種は「コクチナシ」。クチナシの、小さな品種です。

こんな小さな生垣、とても可愛らしくないですか?

いい香りのする花が咲く時期になったら毎日でも参拝したくなっちゃいますね。

沙羅双樹(サラソウジュ)

菩提樹(ボダイジュ)

次に気になったのが対に植えられた2本の木。

仏教では聖木とされていて、沙羅双樹の下でブッダが入滅し、菩提樹の下でブッダが悟りを開いたと言われています。

ちょっとややこしい話なのですが、この2本の木はインドの木なので日本の風土では生育できず、似たような木が日本に持ち込まれました。

これが大池寺にも植わっているもので、沙羅双樹は「ナツツバキ」、菩提樹は本来はクワ科のインドボダイジュですが、シナノキ属の「ボダイジュ」が使われています。

うーん。ややこしいですね。

ちなみにブッダが生まれたときに側にあった「ムユウジュ」も含め仏教三大聖木なのですが、こちらは替えの木も日本にはないようです。

大抵植物園の温室では目にすることができるので、気になる方はどうぞ。

他にも秋を感じさせてくれる「ニシキギ」の実や、

紅葉した「ドウダンツツジ」なども目を楽しませてくれました。

以上で前篇は終わりです。

次回はいよいよメインの蓬莱庭園を紹介していきますので、お楽しみに!

記事・・・飛田亮

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