近江庭園のお庭トーク | お庭のプロが厳選するお庭づくり・盆栽づくりのための季節の花だより

☆新商品入荷☆可憐な白花の野性味溢れる山野草「ヤマシャクヤク」など

作成者: 飛田|2016年2月17日

本日も新着商品がいくつか入荷しております。

今回入荷したのは

・肥後スミレ

・紅花南山スミレ

・ラナンキュラス・ムレリー

・ヤマシャクヤク

・斑入り姫ツワブキ

・コシノコバイモ

の計6点の草花たちです。

この6種は全て春に花が咲く山野草ということで、いよいよ春の訪れを感じますね。

ちなみに来月のテーマは「春の訪れを楽しむ」ですので楽しみにしていてください。

どれも魅力的な草花なのでどれを紹介しようか迷いますが、今回は肥後スミレとヤマシャクヤクについて書いていきます。

 ヒゴスミレについて

  • 学名・・・Viola chaerophylloides var. sieboldiana
  • 属名・・・スミレ科スミレ属
  • 花色・・・白
  • 花期・・・4〜5月
  • タイプ・・・多年生宿根草

 特徴

中国〜朝鮮半島から日本の対馬に分布する「ナンザンスミレ」の変種とされています。

春になると中央に若干紫の筋が入った白い花を咲かせます。

まれに花全体が淡いピンクがかった種もあり、芳香があるものも多いです。

細かく切れ込みの入った葉も特徴的です。

全体的に繊細で柔らかい雰囲気があり、一般的に流通している園芸種のビオラとは一味違った趣きを楽しめます。

 原産地

日本固有種で、宮城県以南〜九州の山地に自生しています。

日当たりのよい草地や林内に好んで生息します。

 その他

「肥後」の名前の由来は定かではありませんが、肥後国(現在の熊本県辺り)で初めに発見されたからではないかと言われています。

よく近縁種の「エイザンスミレ」と比較されますが、葉の切れ込みの数などで見分けられるそうです。

 育て方

夏の暑さが苦手なので、夏期は直射日光を避けるため一日中明るく風通しのいい日陰で管理します。

土壌は水もちと水はけのいいものを好みます。

根を長く伸ばす傾向があるので、鉢植えにする際は深鉢のものに植えるといいです。

また「そうか病」にかかりやすいことで知られ、症状としては茎や葉に白いかさぶた状のものができ、ひどい時は茎が折れる場合もあります。

対策としては雨のあたる場所や土が跳ねる場所は避け、地面より高いところで管理すると良いです。

 

 ヤマシャクヤクについて

  • 学名・・・Paeonia japonica
  • 属名・・・ボタン科ボタン属
  • 花色・・・白色
  • 花期・・・4〜5月
  • タイプ・・・多年生宿根草

 特徴

シャクヤクと聞くと華やかで派手なイメージを持つ方が多いかと思いますが、ヤマシャクヤクは園芸種のものと比べると同じ仲間とは思えないほど違った趣きがあります。

春になると黄色い葯が目立つ純白の大輪を咲かせます。

花全体が丸い形をしていて、洗練されていながら可愛らしい雰囲気をもっています。

しかしこの美しい花は2〜3日で散ってしまう短命花としても知られていて、その儚さにも魅力があります。

これは個人的な意見ですが、これぞまさに山野草。というか日本の美を体現したような花ではないでしょうか。

花後にできる種子もユニークで、茶花として花と共に人気があります。

日陰を好むので、シェードガーデンにも向いています。

 原産地

朝鮮半島、北海道、本州、四国、九州の山地に自生しています。

うっすらとした落葉広葉樹の林床に生息します。

 育て方

日陰を好む性質があり、真夏の直射日光を受けると葉やけを起こしてしまうので気をつけます。

根は大きな塊根なので、鉢植えにする際は深鉢に植えてあげましょう。

用土は水もちと通気性のいいものを好みます。

種子ができると株が弱ってしまうので、種を取らない場合は花後に花茎を切ってやるといいです。

 

以上、今回入荷した草花の中から2点を紹介いたしました。

記事・・・飛田亮