今回で完結となる名石紹介ですが、最後は堆積岩を紹介していきます。
既存の岩や火山灰、生物遺骸などが海や湖の底に溜まって出来た岩石です。
堆積するものや場所によって様々に分類されますが、庭石として使われるものには、粘板岩、凝灰岩、石灰岩、チャートなどがあります。
泥が固まって出来る泥岩などが変化したものです。
黒く緻密で、薄板状に剥がれやすい特徴があります。
別名玄昌石。天然スレートとして全国的に有名で、屋根材、貼り床材、乱張り材、硯などに使われます。
東京駅の屋根材としても使われています。
火山灰が堆積してできた岩石です。
軽く柔らかく、風化しやすいため細かな加工には向いていません。
様々な色合いがあります。
凹穴が点在し、柔らかく加工が容易で耐火性に富みます。
宇都宮市大谷町にある地下採掘場跡は、まるで神殿の様で映画の撮影スポットなどで有名です。
加茂川の上流付近で採れる川石で、硬質で重厚、色合いも品格があって美しく景石として使われます。
今では採ることができないため、希少な最高級品と言われています。
炭酸カルシウムを50%以上含む堆積岩です。炭酸カルシウムの比率が高いほど白色を呈します。
風化には強いですが耐火性は低く、水による浸食で溶け出すことがあります。
今では主に化粧砂利として使われています。
元々は日立市で採れるものが寒水石と呼ばれていましたが、今では石灰質の砕石や砂利をまとめて寒水石や寒水砂と呼んでいます。
軟質で、紫の岩肌に雲を引いたような白い筋模様が入るのが特徴です。
外観が美しいことから盆栽用の景石などにも使われます。
主に石英でできており、微生物の死骸などが堆積してできた岩石です。
非常に硬質で耐火性に優れ、ふつう乳白色をしていますが含まれる不純物により様々な色合いになります。
日本三大銘石の一つで、石英に大量の酸化鉄が含まれるために燃えるような赤味を帯びるようです。
古くから魔よけの石として玄関や床の間に置かれていたそうですが、現在産出量が少なくなっており大変貴重な石となっています。
青みや黄みを帯びているものもあります。
深みのある黒色をしていて、濡れると光沢が出て美しく輝きます。
延段や敷き石として京都の庭園に多く使われてきました。
以上、全国の名石紹介でした。
とはいえここで紹介したものはほんの序の口でしかないので、石について興味が出てきた方はぜひ調べてみてください!
皆さんの住む近くにも、きっと名石があると思います。
記事・・・飛田亮