未だに余震が収まらない熊本地震。
避難所などで生活している被災者の方々の気持ちを考えると、いてもたってもいられなくなります。
いま熊本には全国から支援物資が送られているとのことですが、各避難所に行き届かず現場は混乱しているようです。
そんな中、私たちガーデニング好きには何が出来るでしょうか。
草木を植え花を愛でるガーデニングは平和の象徴といってもいいくらいです。
花や緑の力で復興支援をすればきっと被災者の方々の不安や悲しみを和らげ、心に潤いを与えるものとなるでしょう。
しかし、当たり前のことですがまだその時ではありません。
まずは生活するに最低限必要不可欠な衣住食や交通手段を充実させる必要があります。
その後、ある程度生活に余裕がでてきたとき初めて、ガーデニングは大きな効果をもたらすのだと思います。
そこで今回は、緑を使ってどんな復興支援ができるのか、東日本大震災の復興事例を例にいくつか紹介していきます。
また、私たちが今、被災地に向けて何ができるのかをまとめていきたいと思います。
殺風景で緑がなく、夏の暑さが厳しい仮設住宅の環境を改善するべく立ち上がったプロジェクトです。
募金やボランティアを募り、震災後の3年間で3万戸の仮設住宅に緑のカーテンを設置するといったものでした。
コンテナに植えたゴーヤを仮設住宅に張ったネットに這わせ育てることで、温熱環境を改善し電気使用量も削減できるのだそうです。
全国から支援金やボランティアを募り、庭園や花畑を作る様々なプロジェクトを興しました。
主立ったものには「渡波ガーデン再生プロジェクト」、「奇跡の丘プロジェクト」、「雄勝ローズファクトリー」、「森の前・切り花ガーデンプロジェクト」等が挙げられます。
どれも長期に渡る大規模な計画で、被災者の方々と共に作業を進め、素晴らしい風景を作り出しました。
全国から募った募金で一輪の花や鉢花、苗木などを被災者の方々にプレゼントしたり、花壇の植栽やフラワー教室などの活動をしています。
花を通じて「心」の面で応援するのがコンセプトです。
携帯電話で簡単に募金ができる機能もあります。
避難所や仮設住宅、病院や学校などの公共の施設にプランターや花苗を届け、現地の人と一緒に植えこみ育てる活動をはじめ、グリーンアドバイザーによる園芸相談や地域の方とボランティアの交流を深めるお茶会なども開いています。
桜の苗木を植える桜基金を募り、津波の最高到達地点に桜並木をつくるプロジェクトです。
将来津波が来た時に、住民が避難する目標となり、震災を風化させないという目的もあります。
また地元の造園業者に発注する震災復興事業の一つでもあります。
現在4000本近くの桜が植えられ、今もなお植樹が進行中です。
苗や園芸用品、支援金を募り、被災者の方々が楽しく花や野菜を育てる環境を用意することで人とのつながりをつくり、笑顔になっていくきっかけを作るプロジェクトです。
より人と人との繋がりに焦点を当てた内容となっています。
他にもここに書ききれないほど企業や団体、個人を問わず緑の力をつかった様々な復興支援が行われてきました。
今回の熊本地震でも、ある程度状況が落ち着いてきたらこのような活動が行われていくと思います。
その際にはぜひ、自宅で育てている花苗や園芸用品、支援金を寄付されてみてはいかがでしょうか。
熊本地震発生後、ツイッター上に投稿されたこんなマンガが注目を浴びました。
【拡散希望】『阪神大震災被災者からのお願い』 嬉しいんです!嬉しいんですけどその援助、もうちょっとだけ待って下さい! pic.twitter.com/2BgwW00mRx
— 澤田 圭 キャラクターデザイナー (@keisawada) 2016年4月16日
なにかしてあげたいのは山々ですが、発生直後はかえって迷惑になってしまうという内容でした。
実際マスコミなどの取材班のヘリコプターの音がうるさく被災者の方々にストレスを与えてしまったり、ガソリンスタンドで割り込み給油をして迷惑をかけるといったニュースもちらほら耳にしました。
今はむやみやたらに現地に赴いたり、電話をかけるのはやめたほうがよさそうです。
また支援物資も熊本県庁で山積みになっている状態なので、各避難所に円滑に運搬されるようになるまではこれ以上送る必要はないです。
ちなみに滋賀県大津市は東北大震災のときは支援物資を集めていましたが、問い合わせたところ熊本県庁に支援物資が集まりすぎているため今回は集めないという意向でした。
避難所や指定避難所以外に避難されている方々に円滑に届いていない現状は大変歯がゆいですが、今はただ祈るばかりです。
今できるのはこまめに被災地の情報をチェックし、必要な時に必要なものを支援するのがいいと思います。
また現時点では物資はともかく、募金することはとても有効な手段です。
お金に余裕のある方は、ぜひ募金をして復興の手助けをしてあげてください。
一刻も早く余震が収まることを願っています。