桜が咲いたと思ったらあっという間に散っていき、ツツジやシャクナゲ、フジが開花するさまに季節の移ろいを感じる今日この頃。
しかしいま春真っ盛りの日本ははっきりと四季を感じれる気候帯ですが、世界には四季がない地域ももちろん存在します。
そんな未知な環境の世界の国々にはどんな花が咲いてどんな木が生えているのか、前々から気になっていたわけですが、今回からちょっとしたシリーズものとして記事にしていこうと思います。
まずはガーデニングに馴染みの深いヨーロッパから。
各国々の国花や国樹になっているものの中で、日本ではあまり見られない珍しいものを中心に紹介していきます。
アイスランドの国樹。
高山の岩場に自生し這うように成長する匍匐性の小低木で、可愛らしい白い花を咲かせます。
小さな葉も特徴的で、丸い鋸歯とくっきりとした葉脈がアクセサリーのように見えます。
日本でも南アルプス以北の高山帯に自生しています。
アルバニアの国樹。
ブナ科コナラ属の代表的な樹木で、樹高は40mに及ぶものもあります。
長命であることも知られ、リトアニアには最古といわれる樹齢1500年のオークが存在します。
大きく切れ込んだ葉が特徴的で、心材は家具や内装に利用されています。
オーストリア、スイスなどの国花。
ヨーロッパアルプスの高山帯の岩場に自生しています。
地上部が白い綿毛に覆われ、その純白の姿ゆえに純潔の象徴として様々なもののタイトルになっています。
庭においてはロックガーデンなどによく植栽されています。
ウクライナの国樹。
サクラが国樹なのは日本だけじゃありませんでした。
漢字で書くと酢実実桜。名前の通り実がとても酸っぱい桜で、生食には向いていないそうです。シロップやジュース、調理用として利用されています。
きれいな白いサクラの花を咲かせます。
ギリシャの国花。
晩春から初夏にかけて高さ2m程の花茎を伸ばし、筒状の花を咲かせます。
葉はアザミに似て大きく深い切れ込みがあり、デザインとして円柱などの建造物や絨毯などの意匠によく使われています。
スイスの国樹。
バラの仲間ではなくツツジの仲間で、アルプス山脈などの高山帯に自生しています。
釣鐘上の花を球状に咲かせます。
スウェーデンの国樹。
日本に広く流通するシマトネリコは常緑樹扱いされることが多いですが、本種は落葉樹です。
ヨーロッパに広く自生する樹木で、樹高は25〜30m程になります。
回復力が強いため、木材として使われてきました。
セルビアの国樹。
ヨーロッパで最も多く栽培されているプラム類で、プルーンはほとんど本種から作られています。
日本では開花時期が梅雨と重なり、栽培に不向きなため東北地方で少数しか栽培されていません。
ノルウェーの国樹。
同じツツジ科のエリカと草姿が似ているため混同されがちですが、ギョリュウモドキは一属一種の別種です。
日本でも流通していて、花期には株全体が花で覆われ見事です。
バチカン市国の国花。
白いラッパ状の大輪を咲かせます。
テッポウユリと似ていますが、花弁の長さが短めで葉が細いのが特徴です。
ベラルーシの国花。
大麻より柔らかく強靭な高級繊維として知られ、大航海時代には船の帆に使われていました。
伸ばした茎の先端に青紫色の花をいくつか咲かせます。
日本では北海道で栽培されています。
ポルトガルの国樹。
コルクの生産に使われ、樹高は18m程に達します。
幹の表面に10cm以上ものコルク層が生じ、触ると弾力があります。
以上、ほんの少しですがヨーロッパのポピュラーな草木を紹介してみました。
文化的に関わりの深い植物もあって、やはり植物は生活に欠かすことのできない存在なのですね。
次回はアフリカの国花・国樹を紹介していこうと思います。
記事・・・飛田亮