近江庭園のお庭トーク | お庭のプロが厳選するお庭づくり・盆栽づくりのための季節の花だより

暑さ対策できてますか?お庭の植物を夏越しさせる6つのポイント

作成者: 飛田|2016年5月30日

じめじめした梅雨も厄介ですが、梅雨が明ければ酷暑の真夏日

植物たちにとって厳しい環境が続きます。

何としても真夏の暑さによるダメージを軽減して、元気に夏を越して欲しいものですが、その為には私たちが気を付けなければいけないことがいくつもあります。

そこで今回は、元気に夏越しさせるポイントをおよそ6つにまとめて紹介していこうと思います。

↓梅雨の対策は以前の記事を見て頂ければと思います。↓

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 ①強い日差しを防ごう

いくら日の光を好む植物でも、真夏日の日差し、とくに午後の西日は植物たちにとって強すぎます。

植物によっては葉焼けを起こしてしまう場合もあるので、日差しの強い炎天下の真夏日には特に注意が必要です。

鉢物は日陰か半日陰に移動させて、強い日差しから守ってあげましょう。

また、寒冷紗や遮光ネットをかけてあげるのも効果的です。

その際は植物に直接かけるのではなく、上に支柱などを立ててテントのように被せてあげると、風通しも良くなり暑さが改善されます。

 ②輻射熱をカットしよう

日中の日差しの照り付けによって地面や壁面が温められるとなかなか冷めてくれず、日が沈んでからも輻射熱を放ち続けます。

特にコンクリートは温まりやすく、直射日光を避けていても地面の近くの植物にダメージを与えてしまいます。

植物にとっては日中よりも夜間に熱を感じることが苦手なので、これはなんとしても防ぎたいところ。

対策としては植物が地面や壁面に当たらないよう、棚の上や吊るすなどしてなるべく離して管理してあげます。

また、水やりの際に地面にも打ち水をしたり、壁面をすだれで覆ったり丈夫なつる性植物を這わすなどすることで輻射熱を防ぐことができます。

 ③真夏の水やり

夏の強烈な日差しは、鉢内の水分をすぐに蒸発させてしまいます。

だからといって日中、直射日光が当たっている植物に水をやると土中の水分が温められたり、茎葉に付いた水滴がレンズのようになって葉焼けを起こしてしまう可能性があり、逆に弱ってしまいます。

ですので少しでも涼しい朝や夕に水やりをしましょう。

また、蛇口をひねって一番に出てくる水は温められてお湯のようになっていることがあるので、しばらく出して冷たくなったのを確認してから水やりしましょう。

 ④鉢内の熱にご用心

真夏の鉢物の管理は、鉢の素材によってかなり左右されます。

とにかく熱を鉢内に伝えないようにするのが肝心で、プラスチック製の鉢や黒い鉢、薄い鉢は熱を通しやすいです。

どうしてもそれらの鉢を使いたい場合は、「二重鉢」にすることで温度の上昇を抑えることができます。

鉢植えをふた回り程大きい鉢に入れ、鉢と鉢の隙間に土やミズゴケを詰めると効果的です。

また、断熱効果のある発泡スチロールの容器に水抜け穴を開けてそこに鉢ごと植えたり、鉢ごとそのまま地面に埋めることで鉢内の温度の上昇を抑制できます。

 ⑤地植えにはマルチング

鉢物と同様、地植えの植物も直射日光に曝されると、株もとの土が温められて土中の温度が上昇し、根を痛めてしまう恐れがあります。

その対策として株もとの土を覆い隠すマルチングが効果的です。

冬のマルチングと違い、必ず水と空気を通すものを用います。

藁やパークチップ、専用のシートなどでマルチングするといいですが、銀色など光を反射するものだと日光の照り返しで下葉が葉焼けしてしまう恐れがあるので注意が必要です。

 ⑥夏越し用の土づくり

徹底的に夏越し対策をするならば、使う用土にも注意を払いたいものです。

夏越しするに重要な要素とは、通気性・水はけが良いということ。

なるべく粘土質や有機物を含むものを避け、軽石やパーライトなどを多く混ぜることで鉢内の環境が涼しく快適なものとなります。

普通の培養土を使う場合でも、1mm目のふるいにかけて細かい土を取り除くだけでも効果があります。

また、市販されている「山野草の土」も大きい粒の土や軽石が多く使われているのでおすすめです。

以上、植物夏越しのポイントをまとめてみました。

これを参考に、ぜひ皆さんも真夏に向けて対策をとってみてはいかがでしょうか。

記事・・・飛田亮