突然ですが、皆さんは「カラーリーフプランツ」をご存知でしょうか?
基本的にひと時しか咲かない花よりも、葉の姿かたちを年中楽しめる植物のことをいい、斑入り葉やトリカラー、銀葉や銅葉など様々な色合いで私たちを楽しませてくれます。
寄せ植えや花壇に植えるとひと際存在感を放つカラーリーフプランツですが、その中でも特に異彩を放っているのが今回紹介する「ピュータープランツ」です。
ピューター(pewter)とは日本語で白鑞(しろめ)のことをいい、スズを主成分とした金属で青灰色をしています。
下は白鑞の写真ですが、銀よりも青みがかっているのがわかるでしょうか。
ピューターのような青灰色を呈する葉色の植物を、ピュータープランツと呼ぶんですね。
銀歯や銅葉など、金属的な質感をもつ植物は一般的な花屋や園芸店でも多く目にしますが、ピュータープランツはまるで作り物のようなよりメタリックな質感を持っていて、あまり市場でも見かけません。
そもそも「ピュータープランツ」という呼び方も聞かず、このワードで検索してもなかなか出てきません。
私がこの呼称を知ったのもカラーリーフプランツを専門的に紹介するマニアックな本に、ほんの少しだけ記述があったからでした。
そのほんの少しでも私の興味をそそるには十分すぎるほどでしたが、その話は後にして実際にピュータープランツとはどういったものか皆さんに紹介していきたいと思います。
日本に自生するイヌワラビの園芸品種です。
国内ではあまり流通していませんが、ヨーロッパなどでは人気で様々な品種が発表されています。
インド・アッサム地方に自生するベゴニア・レックスとの交雑種のグループをレックス・ベゴニアと呼びます。
様々な形や色をしており、ピューターっぽいものがかなり多く存在します。
お馴染みのヒューケラのピューターリーフです。
ピューターベイルじゃなくても、似たような色の品種はたくさんあるので最も手に入りやすいピュータープランツかもしれません。
ラミウムもわりと市場に流通しているので手に入りやすいと思います。
グラウンドカバーとしてレストランや洋風のお庭に植えられているのをよく目にします。
カラディウムにも様々な品種があり、いくつかピューターっぽいものがあります。
本種はピューターと呼ぶにはちょっと白過ぎるかもしれませんね。
熱帯地方に生育する下草で、和名はシソモドキといいます。
常緑性ですが寒さに弱いので、日本の寒冷地では越冬が難しいです。
青銀色に輝く小さなピューターリーフが特徴的な植物です。
グランドカバーに向いていて、夏になるとワレモコウのようなユニークな花を咲かせます。
すらりとした草丈の一年草です。
基本的に暗紫色の葉色をした植物ですが、時折葉が青灰色に見るのでピュータープランツとして紹介します。
原種シクラメンの中でもよく知られているコームにも、「ピューターリーフ」なる品種が存在します。
写真の品種はGardenPorterでも取り扱っている「シルバーリーフ」という品種ですが、ピュータープランツにカテゴライズされてもいいと思います。
銀葉アカシアの仲間で、新葉が紫色に見える面白い品種で最近よく住宅街で目にするようになりました。
銀葉といいますが個人的にはピューターの方に感じが近いと思うので、紹介してみました。
以上、私が図鑑で探すに探しぬいたピュータープランツたちを一挙に紹介してきましたが、感じはつかめたでしょうか?
恐らくかなり好き嫌い分かれるジャンルだと思います。
花壇に植えようにも個性的すぎて周りの植物たちと合わせづらそうですもんね。
それでも何故このようなピュータープランツに心惹かれてしまうのか、私なりに考えてみました。
そもそも私が植物を好きなのは、生命があるのに動かない、植物はこの地球上で限りなく動と静の狭間にうつろう存在だと思うんです。
そのギャップに生じる間(ま)に私は魅力を感じます。
その中でもこのピュータープランツは金属的、より静的な印象です。
なのに生きている。この動と静の振れ幅に比例してギャップも大きくなり、普通の植物に比べより間の魅力が伝わってくるためだと自分の中で結論づけました。
かといって海外のSF映画に出てくるようなアンドロイドには私はあまり興味が沸きません。
あくまでも真に生命があるというのが絶対条件なのでしょう。
知らねえよ!って感じですよね(笑)
今回は久々に私の趣味丸出しの記事に付き合っていただきありがとうございました!
記事・・・飛田亮