想像してみてください。
空き地の雑草。庭に植わっている草花。整然と立ち並ぶ街路樹。
一見何の変哲もない植物たちが、実は人や動物に危害を加える猛毒をもっている。
そう思うとちょっと怖いかもしれません。
しかし実際に、毒性のある樹木が街路樹として普通に植えられていたり、庭木に使われているケースは多々あります。
そこで今回は、身近にある毒性を持つ植物を紹介していこうと思います。
植物の正しい知識を身に付けることは、自然を楽しむことと同時に自己防衛のためでもあるんです。
住宅街や日本庭園、山奥など様々な場所で目にするアセビにも毒性があります。
アセビを漢字で書くと馬酔木。馬が葉を食べると酔ったようにふらつくことからきています。
株全体に毒性があり、血圧低下、腹痛、下痢、嘔吐、呼吸麻痺、神経麻痺等の症状を引き起こします。
この時期見ごろを迎えているアジサイですが、実は毒性があるってご存知でしたか?
2008年には、日本で料理の飾りとして出された葉を客が食べてしまい中毒症状を引き起こしたそうです。
毒性成分はまだ解明されておらず、切り花などで扱う際は注意しましょう。
銀杏の実は美味しいですが、食べ過ぎは体によくありません。
特に子供は痙攣などの症状がでやすく、5〜6粒食べただけでも中毒症状を起こすので与えない方が無難です。
また実に長時間触れるとかぶれを引き起こす恐れもあります。
もうしばらくは植物は育たないとされていた広島の被爆焦土にいち早く咲いたことからその強健さが覗えるキョウチクトウですが、毒性もかなり強いです。
枝をBBQの串替わりに使ったため死亡した事例もあり、街路樹として多く植栽されているため注意が必要です。
特徴的な花を咲かせることから人気のあるジギタリスですが、全草に猛毒があります。
強心薬としても使われていますが、素人が取り扱うには危険です。
お庭に植える際は十分気を付けてください。
冬から春にかけて咲く花が古くから親しまれてきたスイセンも歴とした毒草です。
特に鱗茎に強い毒性があり、食中毒症状を引き起こします。
葉をニラと間違えて誤食するケースもあるので用心を。
この時期、真っ赤に色づくノウゼンカズラにもそれほど強くはありませんが毒性があります。
花の蜜にはラパコールという毒性成分が含まれており、触るとかぶれたり、炎症を起こす場合があります。
街路樹としてよく植えられているニセアカシアにも毒性があります。
初夏に咲く花は天ぷら、蜜はハチミツ、花をホワイトリカーにつけてアカシア酒にしたりと一見食用向きに思えますが、花以外は有毒なのでついでに新芽をおひたしに・・・なんてことはしないほうがいいです。
明治時代に日本に渡ってきた帰化植物として雑草扱いされています。
山菜の「山ごぼう」とは全くの別種で、根、葉、果実に毒性があります。
黒い果実をブルーベリーと間違えて誤食するケースがあるので気を付けましょう。
もとは高山植物ですが庭木としても植えられているため、サツキなど普通のツツジと間違えて蜜を吸ってしまうと危険です。
全木に痙攣毒を含み、呼吸停止を引き起こすケースもあります。
以上、割と身近にある毒性植物を紹介してきました。
別に極端に恐れる必要はありませんが、正しい知識を身につけて植物と接していきましょう。
記事・・・飛田亮