前回に引き続き金勝アルプス、登っていきます!
↓前編はこちら↓
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落ヶ滝に到着し一休止を終えた私たちは、最も大きな見どころである天狗岩へ、そしてその先にあるこのルート最高峰の白石峰へ登っていきます。
滝を過ぎた後も、落ヶ滝線は沢渡りがたくさんあります。
というか登山道と沢が同化しています(笑)
梅雨の時期で水量が増しているというのもあるのでしょうが、なるべく防水の登山靴で来た方が無難でしょう。
まだ実の青いヒメヤシャブシ。
パイオニアプランツとして知られるヤシャブシは、比較的どこの山でも見られます。
本種は通常のヤシャブシよりも葉の側脈が細かく多いことからヒメヤシャブシだと同定できます。
黒くなった特徴的な実は、リースなどの飾りとしても使われます。
急斜面の岩場。濡れた靴だと滑りやすいので、ロープを使って慎重に登っていきます。
ロープからまた違うロープへ移る場面もあり、まさにアスレチックのようなスリルが味わえます。
岩を削ったような道を登ると分岐点が。これで落ヶ滝線ともお別れです。
私たちは天狗岩を目指すため右のルートへ。
歩きやすい尾根ルート。
このまま何事もなく天狗岩まで行けるのかと思ったのもつかの間・・・
岩だらけ!
天狗岩に着く前から、巨岩奇岩の数々でいっぱいでした。
これは楽しい!
Tさんもご満悦な様子。
正直ここが天狗岩なんじゃないかと疑ってしまうほど景色のいい巨岩スポットがいくつもありました。
つる性植物のサルナシ。
これから咲くのでしょう、小さな蕾がいくつもなっていました。
サルナシの実はキウイのような味がして、生食やカクテルとしても使われています。
こちらは前回でも紹介したサルトリイバラ。
青い実が赤く色づき始めていました。
サルトリイバラの実、初めて見たかもしれません。
さあ、天狗岩まであと少し。
険しい巨岩の間をぬって登っていきます。
岩場はアップダウンも激しく、木に結んである千切れそうなロープで下る場面も。
非常にスリリングです(笑)
岩場に生えていたナツハゼ。赤黒い実がなっていました。
実は秋に熟し、ジャムとしても食べられます。
また紅葉が美しいため庭木としても人気があります。
ロープを使わずによじ登るTさん。
ここを登り切れば・・・
天狗岩に到着です!
といっても天狗岩も登らなきゃ雄大な景色を望めないのでもうひと踏ん張りです。
この道がかなり狭く険しい!頑張れTさん!
なんとか無事天狗岩登頂!がんばりました!
ここで昼休みに。
周りの山々や琵琶湖を見渡しながら食べるご飯は美味しかったです。
ここまでかかった時間は3時間ほど。
予定より早いペースで登れました。
さあ、白石峰まではまだあと少しあります。
天狗岩で思う存分遊んだら、再び登り始めます。
岩場の名残を楽しんでいると、動物の頭の形をした岩を発見。
Tさんいわく「カピバラ岩」だそうです。
こんな風に自分お気に入りの奇岩に名前を付けるのも、また来た時に面白いかもしれませんね。
私には馬にしか見えませんが・・・。
あっという間に天狗岩から離れてしまいました。
今まで自分があそこにいたと思うと不思議な感覚です。
急に階段が多くなってきました。
この階段を登り切れば・・・
白石峰に到着!
標高は600m程ですが、いろいろと楽しめたので達成感がありました。
さて、ここからは下りなのでもう楽勝です。
下りのルートにもいくつか見どころがあるので、道草食いながら気楽に下っていきます。
これは重ね岩。巨石が絶妙なバランス感覚で重なっています。
よく見ると仏さまが彫ってありました。
しばし下る・・・
10分程下ると、狛坂寺跡に到着。
お寺の跡なのでなにもないと思いきや・・・
金勝アルプス大きな見どころの一つ、狛坂磨崖仏がありました。
学者の方々が調査に来ていてじっくりは見れませんでしたが、思ったよりも大きく緻密に彫られていて感動しました。
大陸からの石工技術を持った渡来人が彫ったものらしいです。
私はインドのアジャンターやエローラなどの石窟寺院を訪ねたことがあるのですが、この狛坂磨崖仏は大陸の仏教美術に見るアルカイックさと、日本のきれいさの丁度中間にあるような印象を受けました。
さらに下ると林道にでました。
もう険しい下りもないので、あとはただひたすら歩いていけばゴールです。
途中で見つけたオオカメノキ。別名ムシカリ。
赤い実がたくさんなっていてきれいでした。
他のガマズミ属との見分け方は、実が夏には赤く熟すことと葉がハート形をしていることです。
朽木の隙間からベロのようなものが・・・。
恐らくタコスッポンタケの仲間でしょう。
朽木の中を見てみると、卵の殻のようなものから出ていたので確かです。
気持ち悪いけどおもしろい!
途中、新名神高速道路の真下を通ります。ここまで来ればあとほんのわずかです。
トンネルを抜けてすぐにある逆さ観音。
これはもとは山上にあった磨崖仏が逆さに落ちてきたものだそうです。
そしてこちらが最後の見どころ、オランダえん堤。
明治時代にオランダの技術者を招いて造られた、日本最古の割石積みえん堤で「日本の産業遺産三百選」にも選定されています。
現在もなお機能しているのは巧みな構造技術のおかげで、生きた化石といわれています。
しかしこの時期は家族連れが憩う自然風プールに成り果てていて、近づくこともままならなかったです・・・。
階段状に積まれた鎧積み、もっと近くで見たかった・・・。
以上で終わりです!
金勝アルプスの魅力、伝わったでしょうか?
私もTさんも体力に余裕を残し翌日筋肉痛にもならなかったので、初心者でもそれ程苦にならず十分楽しめる山だと思います。
ぜひ機会があれば登ってみてはいかがでしょうか。
私もまた、秋にでも登りに行きたいと思います。
記事・・・飛田亮