夏の風物詩といえば海、花火もそうですがやはりホラーも欠かせません。
植物界のホラーといえば食虫植物。
グロテスクな形といい奇妙な生態といいまるで妖怪のようですが、どうにも心惹かれてしまうのは私だけでしょうか。
そこで今回は、夏の食虫植物特集と題して奇妙な食虫植物たちを紹介していきます。
葉が捕虫器となっており、2枚貝のような形でまわりに感覚毛と呼ばれるトゲが生えているのが特徴です。
昆虫が葉に止まると葉が閉じ、数日間かけて養分を吸収し、終わるとまた開き獲物の死骸を捨てます。
葉を閉じるのにはかなりのエネルギーを使うので、いたずらに何度も閉じさせると葉が枯れるばかりか株全体が弱ってしまうこともあります。
昆虫のほかにチーズなどタンパク質を多く含むものを好みます。
葉が筒状に直立する食虫植物で、昆虫を捕らえる落とし穴のようになっています。
袋の底には液体が溜まっており、入ってきた獲物を溺れさせます。
筒の中には下向きの毛が生えているため、昆虫が這いあがりにくく滑りやすくしてあります。
地面からロゼット状に伸ばした細長い葉に、赤みを帯びた粘毛を生やしているのが特徴の食虫植物です。
粘毛からは甘い香りのする粘液を出し、虫をおびき寄せます。
虫がくっつくと葉がそれを包むように曲がり、養分を吸収します。
可愛らしいスミレのような花を咲かす植物ですが、実は昆虫を捕らえる食虫植物としての一面があります。
北米原産の「暖地性」、メキシコ原産の「熱帯高山性」、冬芽で越冬する「寒地性」の3タイプに大きく分けられ、日本にも2種が自生しています。
モウセンゴケと同じく葉の表面には腺毛が密生し、粘液を出しコバエ等の昆虫を捕らえます。
樹木などに絡まりながら成長するつる性の食虫植物で、ユニークな補虫袋が印象的です。
補虫袋のフタの部分にある蜜線によって虫を集め、滑りやすい構造の袋の中へ落とし穴のように誘い込みます。
そして袋の中に溜まった消化液によって溺死させ、養分を吸収します。
まるでダースベイダーのような姿の花を咲かす食虫植物です。
外側にはメロンのような白い網目模様が入り、内側の白いくぼみが目玉のように見えます。
地面を這う小さな甲虫などを捕食するそうですが、日本では植物園などでしか見ることが出来ないためその実態は謎に包まれています。
捕虫嚢と呼ばれる器官で小さな微生物を捕らえる食虫植物です。
南極を除く世界中の湖や湿地に自生しており、水中に自生するものをタヌキモ、陸上に自生するものをミミカキグサと呼んでいます。
ミジンコやプランクトンなどの水中の微生物が、捕虫嚢の扉から伸びた毛に触れると扉が開き、水もろとも獲物が入り込みます。
タヌキモの仲間、ミミカキグサの一品種です。
ミミカキグサは土中の微生物をタヌキモと同じような方法で捕食します。
まるでウサギのような姿の小さくて可愛らしい花を咲かせるウサギゴケですが、食虫植物という意外な一面をもっています。
以上、奇々怪々な食虫植物たちを紹介してきました。
興味が出た方はこれを機に食虫植物を育てるのに挑戦してみてはいかがでしょうか。
記事・・・飛田亮