植物のもっとも魅力あふれるところといえば、「花」と答える人がほとんどだと思います。
確かに花は美しく誰もが愛する存在といえましょうが、その後にできる種も忘れてはいけません。
種には植物たちが子孫を残すための様々な創意工夫がなされており、中には予想の斜め上を行くユニークなものも多数存在します。
今回はそんな植物たちの魅力あふれる種の世界を紹介できればと思い、いくつか集めてみました。
これを機に皆さんの植物に対する関心の幅が更に広がればと思いますので、ぜひとも種の世界を覗いてみてください。
世界一長いマツボックリをつける植物です。
マツボックリの長さは最大で50cmにも及びます。
樹液は糖分を多く含んでいることから砂糖マツとも呼ばれています。
ありとあらゆる植物の種子の中で、世界一の大きさを誇るフタゴヤシ。
サイズは35cm程度、重さは20キロ前後とかなりずっしりしています。
おしりの様な形がユニークで、海を漂流して分布を広げます。
他の木に絡まって成長するウリ科のつる性植物で、果実が熟れて割れると中から半透明の羽が付いた翼果がグライダーのように飛んでいきます。
この優れた滑空性能は飛行機のモチーフにもなりました。
まるで羽子板の羽のような形をした種が特徴で、くるくると回転しながら風にのって落ちていきます。
枝には小さな穴が開いていて、蟻が住み着くことからアリノキとも呼ばれています。
日本では沖縄に分布しています。
何やら恐ろしい名前の植物ですが、その正体は地表を這って成長する多年草の果実です。
果実にはいくつもかぎ爪が付いており、動物の体に引っかかって種をばら撒いていく寸法です。
ライオンが誤って口に引っ掛けてしまうと、その痛みで何も食べられず餓死してしまうことから名付けられました。
ライオンゴロシと同じく、悪魔の爪と呼ばれている植物です。
長いかぎ爪で動物や人間に引っかかり、種を広い範囲に散布していきます。
ヤシの仲間で、種を磨くと乳白色の象牙のような質感になる美しい種子です。
ボタンや工芸の材料として用いられています。
近年庭木としても使われているオーストラリア固有種の植物です。
特徴的な花序もさることながら、木質の袋果は山火事が起こるとその刺激によって裂け、中から種が弾け飛びます。
焼け野原にいち早く目を出すことからパイオニアプランツとして知られています。
その名前も樹木自体もユニークな木ですが、種だって負けちゃいません。
バナナのような実が熟し裂開すると、中から鮮やかなコバルトブルーをした種が出てきます。
これは蝋質の膜だそうで、火をつけると良く燃えるそうです。
ユーカリの一種の木の実です。
造形的な面白い形をしており、鳥の顔のようにも見えます。
硬く丈夫で、リースの材料などとして使われるようです。
以上、ちょっと変わった面白い種たちを紹介してきました。
植物からこんな種ができるなんて、まだまだ植物の魅力について知るところがありそうですね。
記事・・・飛田亮