秋も深まりそろそろ冬に突入する勢いのこの季節。皆さんどうお過ごしでしょうか。
東京では早くも大雪が降ったそうで、大きく変動する異常気象に私は驚いている次第です。
近年、異常気象だ異常気象だとやたらに唱えられておりますが、ここまで異常気象続きだともはや異常続きの現況が新たな常識だといってもいいかもしれません。
いったい地球はこの先どうなっていくのか不安ではありますが、自然に身をゆだね乗り切っていきたいところですね。
さて、冬が近づくということは我々園芸好きには一種の寂しさがまとわりつきます。
秋にはあれだけ花を咲かせていた花々が枯れ、一年を通して比べてみるとやはり冬の庭はもの悲しい雰囲気が漂うような気がしますよね。
そこで今回は、花数が少なければ葉を楽しめばいいじゃないということで、葉に特徴のある植物たちを紹介していこうと思います。
葉に特徴というとヒューケラのようなカラーリーフを想像する方が多いかもしれませんが、今回は江戸の園芸が盛んだった時代に生み出された、「葉芸」をもつ変わり葉の植物たちを紹介していきます。
葉芸は斑入りなど葉の色や柄に特徴があるのもそうですが、葉の形に変化があるものも多く、それぞれ違った面白さがあります。
日本庭園でカラーリーフを植えるのは合わなくても、伝統美を孕む変わり葉でしたら違和感なく冬の間も葉を楽しむことが出来ると思いますので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
庭の美しさを惹きたてる優秀な脇役として人気のあるツワブキ。
艶やかな緑の葉と、冬に黄色い花を咲かすことからこの時期は主役にも成り得ます。
そんなツワブキの葉芸は多種多彩。
葉の周りに白い覆輪が入る「浮雲」や、葉の縁が激しく波打つ「獅子牡丹」など様々です。
マンリョウはお正月の寄せ植えなどに使われるように縁起物として人気のある低木です。
葉にはフリルの様な鋸歯があり、葉の下に真赤な実をつけます。
葉の周りに白い覆輪の斑が入る「恵比寿」や虎の背の様な模様の斑が入る「白虎」などがあります。
マンリョウと同じく縁起物として知られるヒャクリョウ。
カラタチバナという別名もあります。
葉が丸く白い散り斑が入る「八幡化」や、全体的に白味がかる「玉鳳錦」などがあります。
冬に赤い実を付け、「難を転ずる」という意味を持つことから縁起物として人気のあるナンテン。
ナンテンも江戸時代に盛んに栽培され、「錦糸南天」という品種が生み出されました。
錦糸南天の中にも様々な品種がありますが、細い糸の様な葉軸が密生し細かい葉が付くのが特徴です。
日本人にとって最もポピュラーな花木の一つであるツバキ。
春になると色鮮やかな花をつけ、景色を美しく彩ります。
艶やかな緑の葉も魅力的ですが、葉芸もあるってご存知でしたか?
中でも面白いのは「金魚葉」。
葉の先端が3つに分かれ、まるで金魚が泳いでいるように見えます。
降り積もった雪の下から花を咲かせることから、雪割草とも呼ばれています。
可愛らしい花だけで十分に魅力的ですが、実は葉芸も豊富なんです。
覆輪や虎斑など、様々な斑入りや変わり葉のものが流通しています。
日本で古くから栽培されてきた観葉植物で、数ある古典植物の中でもかなり人気のあった植物です。
明治時代には富裕層にかなり人気があり、今の金額にして一億円相当で取引されたこともあったのだとか・・・。
葉芸の種類も尋常じゃないほどあり、今もマニアの方々に根強い人気があります。
日本に自生するシダ植物の一種で葉も根ももたない、茎だけの植物です。
それが面白がられ、古くから栽培されてきました。
斑入りにものや枝垂れているものなど、様々な葉芸が見られます。
以上、日本の葉芸をもつ植物について紹介してきました。
ぜひ気に入ったものがあればご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。
記事・・・飛田亮