あっという間に秋が過ぎ、気づけば冬真っただ中。
毎朝車のフロントガラスに張り付いた氷を擦り溶かして通勤する厳しさを味わっております。
この寒い季節は我々園芸好きにはちょっと厳しいかもしれませんが、春の麗らかな陽気に咲く花々に思いを馳せながらなんとか乗り切っていきたい所です。
ところで春の訪れというと、皆さんは何を想像するでしょうか。
各々思う所があるでしょうが、私が思う最も最速で最も心ときめくものは、降り積もった雪を突き破って咲く健気な花たちです。
厳しい冬の寒さに耐え、雪の重みに耐え、凛として咲いて春の訪れを告げる。
その姿は力強くも美しく、雪解けとともにやってくる新たな一年の幕開けを祝福しているかのようで見ているだけで元気づけられます。
そしてそんな花たちは山野草と呼ばれるものが非常に多い。雪の中から咲く花たちは山野草の大きな魅力の一つといえるでしょう。
というわけで今回はそんな春の訪れを告げる山野草たちを紹介していきます。
古くから親しまれてきた日本原産の山野草で、早春の花の代名詞として元日草、朔日草(ついたちそう)とも呼ばれてきました。
正月の飾りとしてもよく使われるため、園芸店では1月頃に開花するものが売られますが、実際は3月〜4月に雪解けとともに黄色い花を咲かせます。
雪や氷の層を自身の熱で溶かして開花する変わった植物です。
花の姿が座禅を組んでいる僧侶に見えることからザゼンソウ、ダルマのようにみえることからダルマソウとも呼ばれています。
開花する際に25℃まで発熱しますが、そのメカニズムはいまだ解明されていないようです。
雪がまだ残っている早春に可憐な小さな花を咲かせる山野草です。
葉に特徴があり、黒褐色の3枚の葉が三角形に生えるのが特徴です。
日本固有種で滋賀県から九州にかけて自生しています。
ユキワリソウの仲間です。
花期は春から梅雨の時期とちょっと遅いですが、雪が残る高山では雪の中から顔を出して咲きます。
花は他のプリムラ類と一緒で、ピンクと黄色のコントラストが可愛らしい花を咲かせます。
別名のユキワリソウで広く流通していますが、ミスミソウといいます。
品種がたくさんあり、早春に様々な色形の可愛らしい花を咲かせます。
丸みのある肉厚の葉も可愛らしいです。
節分の頃に咲くことから名付けられ、白い小花に黄色い蜜腺と青い葯が可愛らしい山野草です。
現在では数が少なくなり希少な植物になっていますが、埼玉県や栃木県、広島県に群生地が確認されています。
古くから春の訪れを告げる植物として愛でられてきた歴史のある山野草です。
雪解けとともにピンク色の可憐な花を下向きに咲かせます。
片栗粉の原料としても生活に利用されてきました。
深い雪の下で育ち、早春になると雪の中からにょきっと顔を出すフキノトウ。
山菜としても人気で、春の魅力が詰まったほろ苦い味はなんともいえない美味しさです。
見ても食べても楽しめる、春を代表する山野草の一つです。
以上、春の訪れを告げる山野草たちを紹介してきました。
まだ冬は始まったばかりですが、我々も寒さに負けずにガーデニングライフを満喫しましょう。
記事・・・飛田亮