私たちが普段食べている料理の中には、大抵香辛料が含まれています。
中でもスパイス料理の金字塔といえば、やはりカレー。
インド料理を代表するカレーは、日本のだし文化と融合し、今では日本人の国民的料理として親しまれていますね。
世界中の香辛料が手に入るようになった今ですが、名前は知っていてもなかなかその全貌は知り得ないものが割とあると思います。
料理に使われるスパイスたちが元はどんな植物の姿をしていたのか、今回は紹介していきます。
日本では「ウコン」と呼んだ方が親しみ深い植物かもしれません。
インド原産の香辛料で、根茎に含まれるクルクミンがカレーの着色料としてよく使われています。
消化作用や新陳代謝の改善などの効能があり、肝機能の改善効果も見込めることから二日酔い対策飲料の原料にもなっています。
インド・スリランカ・マレー半島に自生するショウガの仲間で、種子を乾燥させてスパイスとして利用します。
さわやかで上品な香りが特徴で、「スパイスの女王」とも呼ばれています。
カレーのスパイスやインドの伝統医療であるアーユルヴェーダの処方薬としても使われます。
日本ではニッケイという名前で知られるクスノキ科の常緑樹です。
樹皮を剥がし、乾燥させたものを香辛料として用います。
世界最古の香辛料のひとつで、紀元前のエジプトでミイラの防腐剤として使われ始め、中国では生薬としても使わて来た歴史があります。
インドを代表する香辛料のガラムマサラの主要な成分であり、料理の香りづけや、チャイには欠かせないスパイスです。
インドネシア原産のスパイスで、チョウジノキという常緑樹の開花前の蕾を乾燥させたものです。
香気が強く、肉料理の臭い消しやチャイの香りづけとして使われます。
抗酸化作用や胃腸の働きを強める効果があります。
面白いものではゴキブリ除けや、日本刀のサビ止めとしても使われてきました。
エジプト原産のセリ科の植物で、果実を乾燥させたものをスパイスとして用います。
和名はウマゼリで、インドからヨーロッパまで広い地域で栽培されています。
消化器官に効果があり、カレーの香り付けやガラムマサラ、チャツネに使われます。
東インド諸島のバンダ諸島原産の常緑高木です。
種子の中から採れる仁を乾燥させたものをスパイスとして利用します。
甘い香りがあり、肉料理や魚料理の臭み消しや、クッキーなどの焼き菓子にも使われます。
胃腸や便通、美肌などに効果があります。
西南アジア原産のアヤメ科の植物で、「薬用サフラン」と呼ばれます。
1つの花に対し3本の真紅のめしべがつき、めしべを乾燥させたものを香辛料として使います。
独特の香りを放ち、料理の風味づけや着色料としても利用されます。
鎮静・鎮痛効果、婦人病にも効果があります。
採れる量が少ないため、世界で最も高価なスパイスのひとつとして知られています。
中南米原産の植物で、探検家クリストファー・コロンブスによってジャマイカで発見されたことからジャマイカペッパーとも呼ばれます。
果実や葉が香辛料として使われ、シナモン・クローブ・ナツメグの3つのスパイスの香りを併せ持ちます。
消化機能の促進、抗菌・防腐効果があり、ポプリとしても使われます。
中国原産のトウシキミという常緑高木から採れる種子を乾燥させたものです。
実の形は8つの角がある星形で、「八角」とも呼ばれます。
香りが良く、主に中華料理のスパイスとして使われます。
嘔吐、風邪、咳止めなどに効果があります。
以上、料理に割とよく使われるスパイスたちを紹介してきました。
一言にスパイスといっても、採れるのは根っこだったり果実だったりめしべだったり、効能や風味も実に様々です。
どんな植物なのかが分かれば、より料理がおいしく感じられると思いますので、気になった香辛料があればぜひ皆さんも調べてみてくださいね。
記事・・・飛田亮