春といえばサクラをはじめ様々な美しい花々が開花する季節ですが、中にはちょっと変わった植物たちも密かに花を咲かせているのです。
その代表的な種がサトイモ科の植物たち。
サトイモ科の植物は春に開花するものが多く、その花はユニークなものばかり。
正確には花ではなく仏炎苞といわれる部位なのですが、それぞれ面白い特徴をもった植物たちを紹介していきます。
北アメリカ、北東アジア原産で、まだ雪が解けきっていない早春に赤い花弁のダルマのような姿の花を咲かせます。
開花時は自ら発熱することで周囲の雪を解かし、花序から臭いを発することでまだ数の少ない虫をおびき寄せ受粉の確立を上げます。
関東地方以西〜沖縄、朝鮮、中国に自生する山野草です。
花が馬具の鐙(馬に乗るとき足をかける部分)に似ていることから名付けられました。
袋状に巻き込む花の外側は緑と白の縞模様をしており、内側は紫と白になることが多いです。
北海道から九州にかけて自生し、主に山地の湿った林床に好んで生育します。
花は紫〜茶褐色で縞模様があり、この模様がマムシのように見えるため名付けられました。
花が緑色のものはアオマムシグサ、カントウマムシグサと呼ばれます。
本州、四国を中心に山地の林床に自生しています。
他のテンナンショウ属との違いは、肉穂花序の先端に付く付属体といわれる部位で、釣り糸状に長く伸びるのが特徴です。
これが浦島太郎の持っている釣り竿の糸に見立てられて名付けられたと言われています。
本州の近畿地方と四国に自生するサトイモ科の植物です。
付属体が白く膨れており、触ると餅のように柔らかいことから雪餅草と名付けられました。
独特な魅力がある植物なので、根強い人気があります。
葉には白い斑模様が入ることが多いです。
日本では岩手県以南〜鹿児島県に自生しています。
花は緑色をしており、一部に紫色が入ります。
ウラシマソウと同じく付属体が長く伸びるのが特徴で、葉は鳥足状に生え小葉がたくさん付きます。
葉を広げた様子がツルが羽ばたいてるように見える為名付けられました。
日本全土に自生し、田畑や道端にも生育しています。
ウラシマソウを小型にしたような感じですが、花は緑色をしています。
またテンナンショウ属のものと比べるとほっそりしているのが特徴です。
耕作地に生えるとなかなか駆除が難しいため雑草として嫌われている所もあります。
日本では四国南部、九州南部、奄美地方に自生しています。
花茎を1m程に伸ばし、頂部に赤いラッパ状の仏炎苞をもつ花を咲かせます。
葉は切れ込みが多く入り、実は赤色から青色に変化する特徴があります。
かなり希少な植物で、絶滅危惧種にも登録されているほど見かけません。
以上、花の姿が面白いサトイモ科植物たちを紹介してきました。
山地でしか見れないものが多いですので、ぜひ山登りに行くついでに探してみてくださいね。
記事・・・飛田亮