例年のごとく猛暑に包まれる日本列島。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さすがにこの暑さは夏の風物詩と呼べるレベルを凌駕していますね。
最近の研究では2100年の南アジアではもはや人間が生存不可能な熱波に襲われるという報告があり、汗と不安に苛まれる今日この頃です。
さあ、そんな夏の花の代名詞といえばヒマワリ。
色鮮やかで大きな花を咲かせるヒマワリを見ると、一瞬暑さを忘れて元気な気分になれる。そんな気がします。
今や観光地としてヒマワリ畑が全国各地につくられ、この時期はたくさんの人々で賑わうほどの人気っぷり。
普段はそれほど植物や園芸に興味を持たない人さえも惹きつける魅力があるのだと思います。
さて、そんな人々に愛されてやまないヒマワリですがその魅力は景観的な美しさだけでなく、土壌を改善してくれる緑肥効果があることでも知られています。
少し可愛そうかもしれませんが、まだ種が出来る前の開花中の株を土にすき込むことで土質が向上したり微生物の働きが活性化するのです。
緑肥というと畑のような広大な敷地を思い浮かべるかもしれませんが、今回はガーデニングの一環としてお庭でも育てられる緑肥植物を紹介していきます。
北アメリカ原産で、その花の美しさとインパクトからすっかり夏の風物詩になっています。
今では品種改良が進み、一重咲きから八咲き、レモン色やえんじ色、草丈10cm程の小さなものなど様々なバリエーションがあります。
植物の成長促進効果がある土中の菌根菌を増やしてくれるので、緑肥植物としても人気があります。
夏の花壇の定番となっているキク科の植物です。
日本では主にフレンチマリーゴールドとアフリカンマリーゴールドが流通しています。
花付きが良く次々に蕾が咲いていくので、秋まで花を楽しむことが出来ます。
緑肥植物というよりコンパニオンプランツとして知られており、根っこには土中の線虫を防除する効果があります。
別名ゲンゲともいわれるマメ科の植物です。
春になると紅紫色をした可愛らしい花を咲かせます。
マメ科の特徴で大気中の窒素分を土中に供給してくれる働きがあります。
昭和の終わりごろまでは多くの畑で利用されてきましたが近年は化学肥料の出現により見かけなくなりました。
フジを逆さまにしたような花を咲かせるのでノボリフジとも呼ばれています。
今では主に観賞用として植えられていますが、もともとは肥料・食料として日本に伝来してきた歴史があります。
窒素固定化というマメ科の特徴がある為、窒素分の多い土壌に改良してくれます。
別名カラスノエンドウ。
日本各地の道端や畑に生えている為雑草扱いされていますが、実は有用植物としての一面もあります。
若芽や豆果は食用にすることができ、果実は草笛として遊ぶこともできます。
レンゲソウ同様窒素を土中に蓄えてくれる効果があるので、緑肥植物としても効果的です。
クローバーの仲間ですが、夏の暑さに弱いので日本では一年草扱いです。
春になると真っ赤なたいまつ状の小花を咲かせます。
日本には明治時代に牧草として伝来してきました。
レンゲソウ同様窒素を土中に蓄えてくれる効果があるので、緑肥植物として使われることがあります。
以上、ガーデニングでも使える緑肥植物を紹介してきました。
花も楽しめ土質も良くしてくれるなんてまさに一石二鳥ですね。
土壌改良に興味がある方はぜひ緑肥植物を育ててみてはいかがでしょうか。
記事・・・飛田亮