秋の終わりを感じつつある今日この頃、もうすぐクリスマスローズの時期がやってきます。
花の少ない冬の時期に咲いてくれるクリスマスローズは園芸界の人気もの。
今では数え切れない程の園芸品種が作られ、市場を賑わせています。
今回紹介する原種クリスマスローズたちは、園芸品種とはまた違った野趣あふれる魅力をもつものばかり。
世界に20種以上が存在する原種クリスマスローズの中から、特徴的な8種を紹介していきます。
トルコ~シリアの中東の砂漠地帯に自生しています。
乾燥した厳しい環境のなかで生息する唯一の種です。
花はライムグリーンに紅紫色が掛かり、完全には開花しないベル状をしているのが特徴です。
厳しい環境のためか種子がかなり大きく、大豆くらいの大きさがあります。
レンテンローズと呼ばれる春咲きの園芸品種を作出する際親になる、重要な役割をもつ品種です。
ロシアのコーカサス地方~トルコ、黒海沿岸に自生しています。
アブチャスカ、グタータスなどの亜種が存在します。
ヨーロッパ~地中海周辺にその大半が自生する原種クリスマスローズですが、本種のみ遠く離れた中国四川省に自生しています。
1989年に20年ぶりに再発見されたので、幻のクリスマスローズと呼ばれています。
淡いピンク色の透き通った花が美しいです。
地中海に浮かぶコルシカ島を中心にヨーロッパに自生するクリスマスローズです。
冬になると爽やかなライムグリーンの花を咲かせます。
葉にはヒイラギのような鋸歯があり、突然変異でできた白い斑入り品種があります。
ヨーロッパではクリスマスの時期に咲くことから名付けられた「クリスマスローズ」という名は、本来このニゲルに付けられました。
ヨーロッパに自生し、純白の花を咲かせます。
原種クリスマスローズの中でも丈夫で育てやすいため、人気のある品種です。
スペインのマジョルカ島や地中海の沿岸の一部に自生しています。
灰色がかった紅紫色の花が特徴で、シックな雰囲気があります。
葉には銀色の網目模様が入ることがあります。
木立性のものとほふく性のものがあるようです。
ヨーロッパに自生し、寒冷地では草丈1m以上に成長するユニークな種です。
伸ばした花茎の先にライムグリーンの可愛らしいベル型の小花をたくさん咲かせます。
葉や茎をつぶすと独特の青臭い香りがしますが、直接触れなければ気になりません。
ヨーロッパに自生する種で、クリスマスローズの中では珍しく花に香りがあります。
個体差がありますが、メロンのような爽やかな香りがするものも。
花はライムグリーンで整った綺麗な形をしているのが特徴です。
以上、魅力的な原種クリスマスローズたちを紹介してきました。
ぜひこの冬は原種クリスマスローズとともに過ごしてみてはいかがでしょうか。
記事・・・飛田亮