突然ですが皆さん、「腐生植物」をご存知でしょうか。
奇妙なキノコのような見た目ですがれっきとした種子植物で、光合成を行わないため葉っぱはないのが特徴です。
地中の菌類に寄生して生活するため、「菌従属栄養植物」とも呼ばれています。
キノコにも、普通の植物にも属さないアウトサイダーなやつら。
今回は世にも奇妙な腐生植物の世界を紹介していきます。
日本固有種の腐生ランで、ヤマシャクジョウとも呼ばれます。
腐生植物の中では大型で、初夏に花茎を伸ばし50~100cmに成長します。
秋にはウィンナーソーセージのような真っ赤な果実が熟し、異様な雰囲気を放ちます。
林内の湿った落葉の間に生える小さな腐生植物です。
全体的に白っぽく、草丈は3~15cm程度です。
花期には茎の頂部に2~6個程の小花を固まって付けます。
半透明の小さな電球に赤い縞模様が入った変わった花を咲かせます。
頂部に突出した3本のアンテナのような枝状の部位が摩訶不思議さを際立てます。
マレーシアやボルネオ島に自生しており、2018年には150年ぶりに発見されました。
腐生植物の中では最も知られているものの一つで、別名ユウレイタケとも呼ばれます。
半透明な銀白色をしており、茎の頂部にうつむいて咲く釣鐘状の花を一輪咲かせます。
雌しべの先端が青味を帯びており、目玉のように見えます。
亜熱帯の林内に生える色鮮やかな腐生植物です。
草丈は5~10cm程度で、茎の頂部には青紫色をした小さな筒状の花を咲かせます。
屋久島、奄美大島、沖縄などに自生しています。
草丈50~100cm程度に成長する大型の腐生植物です。
ランの仲間で、初夏には黄褐色の花を総状に咲かせます。
直立する茎を、鬼が用いた弓の矢に例えて名付けられました。
暗い樹林の落ち葉の間に生える小さな腐生植物です。
草丈は3~13cmで、全体が赤褐色を帯びているのが特徴です。
花はイソギンチャクのような見た目で、茎の頂部に雄花をつけ、その下に雌花を多数つけます。
草丈1~4cmのとても小さな腐生植物です。
クリオネのような、ランプのような奇妙な壺型の花が特徴的です。
徳島県や宮崎県に自生が確認されています。
わずか1~1.5cmの小さな腐生植物で、透き通った青色が美しい種です。
6本の角を伸ばしたイソギンチャクのような姿が特徴的です。
沖縄に自生しており、仲間の「ヤクノヒナホシ」が近年屋久島で発見されました。
オーストラリアの限られた地域にのみ自生する腐生植物です。
根はもちろん花を含めた全草が土中にあり、一生を土の中で過ごすのが最大の特徴です。
発見するのが非常に困難な、希少性の高い植物です。
以上、奇妙な腐生植物たちを紹介してきました。
まだまだたくさんの種類がありますので、興味のある方は調べてみてください。
記事・・・飛田亮