2020/10/19

お庭の環境を考える

こんにちは。

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金木犀が満開です。「九里香(きゅうりこう)」という名の通りよい香りが遠くまで届きます。この花が咲き終わると、次は銀木犀が咲いてきます。金木犀ほどの強い芳香はありませんが、白い小花が控えめに咲く様子はなんとも可愛らしいですね。

 

露地の設え・屋上の環境

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こちらのお庭は、私がいつも茶道を習いにお伺いしているお稽古場の露地です。水に濡れた苔と飛び石、蹲などが非常に綺麗な露地です。この綺麗な露地を保つために、私たちは常にメンテナンスを欠かせません。

たっぷりと灌水を行い、落ち葉があれば即座に拾い、苔の育ちづらい環境の部分は苔の張替なども行っております。

今回、こちらのお茶室で茶会が開かれるのに合わせて、露地のメンテナンスとして苔の張替や蹲の掃除などをして参りました。(例年は5月に行われるお茶会だったのですが、今年は大幅に縮小開催です…)

うなぎの寝床と言われているように、間口が狭く奥に長い造りの建築で、風通しや日照条件が限られた中で、苔やほかの植物が育ちやすい環境を作っていくのは容易くなく、試行錯誤の連続です。

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軒の長い小間の下の苔や下草を新しいものに変え、今度はきちんと育てたい、と願いを込めて植え替えました。今回のお茶会に訪れるお客様たちがお庭を見て、少しでも静かな気持ちになれたら良いと思います。

 

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またこちらは屋上に鴨川に面したロケーションの良い商業施設です。先日この屋上に置いてあるシマトネリコの鉢のメンテナンスに参りました。屋上は日当たりも良く、乾燥しやすいのでこちらもメンテナンスが大変です。日々、こちらのスタッフさんたちがお世話をしてくれているのでなんとか元気になりつつありますが、植物のおかれる環境が少しでも違うと同じ樹種でもメンテナンスの方法が全く異なってきますので、ひとつひとつ同じお手入れが無いのは非常に難しいことだと感じます。

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それが面白味でもあるので、植物やお庭と向き合う時は試行錯誤を厭わない気持ちが大切です。

お庭にとって良い環境を整えるのが私たちの仕事の一つです。つくったあとのお庭のメンテナンスを欠かさずに、つくった時よりも良い状態を更新させていくようにしていくために、これからも試行錯誤の日々は続きます。

投稿者: 松本 友香里

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