こんにちは。
中の業務に四苦八苦しつつもなんとか模型を一つ完成させることができ、少し安心している今日この頃です。やはり施工側と設計側では見る視点が異なりますので、事務所で作業している時も外に出ている時のように新たな発見があり新鮮な気持ちで仕事に向かっております。
良い仕事になるように提案していけたらと思います。
話は変わりますが、弊社ではありがたいことに和の庭を施工させて頂くことが多いです。そのため、会社の土場にも灯篭がいくつか置いてあります。
こちらの倉庫にちょこんと佇む一基の灯篭。今週から入らせて頂くとある現場で使用する予定です。この灯篭の形は水蛍(みずぼたる)灯篭といい、活け込み型の灯篭となります。そのため竿の部分は半分ほど埋まり、上の火袋が地面から顔を覗かせているような形です。
こちらの水蛍灯篭の意匠の凝らし方がまた素朴で、表と裏で三角形の向きが違うのです。火袋に明かりが灯され池の水面に炎が映る様が蛍が飛んで見えるようなところから「水蛍」と呼ばれるようになったようです。
美しい情景が目に浮かんでくるようですね。
また同じ現場で使用するこちらの岬灯篭。自然石の上に配置し、お庭に溶け込むような素朴な佇まいです。
こちらの現場はこれからまだまだ石材を沢山使用する場面があります。先週にも香川県まで石の仕入れに行き、沢山の石材を見させていただきました。香川県の名産庵治石の鉢も今後どこかで登場してきます。
石材については私はまだまだ知識不足なところも多いですが、そういうところにも興味を持って取り組んでいきたいと思います。
灯篭はそもそも昔の日本人にとっては道を照らすいわば街灯のような役割だったかと思います。または供養のための灯火であったり、お庭に設置され風情を楽しむものだったり。いずれも人々の生活の中に無くてはならない物だったのでしょう。現代の日本においてこの灯篭がお庭の中にあることの意味や人々に何かを感じていただける物に仕上げていくことがお庭を造っていく私たちの仕事の本質のような気がします。
早く現場で施工し、これらがどうお庭に溶け込んでいくのか見られるのが楽しみです。