こんにちは。
こちらは城崎温泉のすぐ近くにある円山川。こちらに広がる湿地はラムサール条約湿地として、水鳥やその周辺の食物連鎖を守るための活動がなされています。絶滅に瀕するコウノトリが住める湿地をこれからも守って行く、美しい湿地の風景を守る、とても大切なことだと思います。庭師である自分たちも自然と関わる者としてこの風景を守って行くためにはどうすれば良いか関心を持っていかなければ、と思います。
さて、前回の続きで今回は研修二日目について書かせて頂きます。
一日目は照明のエキスパートをお呼びしての特別授業、そして二日目は「アウトドアリビング」「ナイトタイムエコノミー」と関係のあるところを見学、研修させて頂きました。
どちらも重要なのは私たち造園の技術でその二つをつくることが可能だということです。ナイトタイムエコノミーを実現するには、夜を魅力的にするための工夫が。そしてアウトドアリビングでも私たちの持つエクステリア関係の技術が必要になります。
「大きなウッドデッキやサンルームで窓の外に気持ちの良い空間を!
雰囲気の良い照明に灯されたバーには観光客や地元の人が集います!」
こんな感じですね。そこで、最近人気のグランピング施設の見学に行きました。
モンゴルの遊牧民たちが住むゲルのようなテントがたくさん建っています。中に入るととても広く、天井は透けているので、夜は星空が楽しめそうです。冷暖房も完備、トイレ、シャワーもありますので女性の方にも人気だそうです。
眺望も良く、内装も凝っています。こういうアウトドアの楽しみ方が今の流れなんだな、と思うととても面白いです。家族や友人同士、様々な人、年代の人が楽しめるというのが現代の社会の流れにあっているのかなと思います。
あかり、ましてやお庭にあまり関係が無いじゃないか、と思いきや、そんなことは無いんですよね。
私たちの身を置く造園業界はこれからどんどん縮小して行くと言われている業界です。お庭造りの需要が減り、そもそもお庭を造れるだけの土地が無い都心部に住む人やそこまでお庭に手を掛けられない人が増えてくる時代です。
だからこそのアウトドアリビングです。お庭をしっかりつくらなくても緑や外の空気を楽しめる空間があるというのは現代のライフスタイルにかなりマッチしていると思います。グランピングなど、手軽にアウトドアが楽しめるのもそう行った流れの一つですよね。
私たちはお庭を造るのが仕事ですが、大まかに言えば空間そのものを造ることが本質にあると思います。お客様や時代の流れに沿った空間造りがこれから大切になってくるのです。だから私たちは意固地にならず、こういった新しいものもどんどん吸収していかなければなりません。
お庭というのは決して、樹木や草花が生い茂り、石があり、苔があり、といったものばかりでは無いということです。こういう芝生の空間もシンボルツリーを入れたらどうだろうとか、石のベンチを作ってみようだとか、照明で焚き火をしているような空間を演出しようとか、私たちの持つ技術を応用した空間造りの可能性が沢山ありますよね。
一見違う角度からお庭というものを見直してみると、改めて考えさせられることが沢山あるな、と実感しました。
この二日間で私は多くのことを考え学びました。
伝統の技を守って行きたい、新しい流れに挑戦したい、というのは真逆を行っているようで、最終的には同じ「庭」という文化を支えていることに違いは無いのですね。
今回研修させていただいたことはなんらかの形で活かしていきたいと思っています。考えるだけではなくて、実行しなくてはですね。
とても充実した二日間でした!城崎楽しかったな!