近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

せせらぎを感じたい

作成者: 松本 友香里|2020年2月2日

こんにちは。

霜がおりないような暖冬ですが、よく観察していると小さな葉っぱが霜で薄白くなっていました。葉っぱが白く縁取りされたようになっていてとても綺麗ですね。

冬はうっすらと雪化粧した比叡山を見るのが好きだったのですが、今年は全然お目にかかれていなくて少し寂しいような気持ちです。

 

せせらぎが耳に優しいお庭へ

かねてよりずっと施工を追いかけているこちらの工事ですが、登山でいうと、やっと山の中腹に来たという感じでしょうか。

色々なところが変化してきています。

とうとう流れの下層部分の施工に入っています。今は護岸と堰の施工をするための景石がごろごろと転がっているので、イメージがし辛いかと思いますが、ここは落ち着いた水の流れになる予定です。こちらも水底に石を張り、水が入った時により綺麗に見えるように仕上げていきます。

流れが細く勾配が急な部分には、割肌加工の石材を使用し水の流れが直線にならぬよう緩やかな流れに演出しています。こちらも施行中の写真ですので、セメントで汚れたままの写真で申し訳ないですが、水に濡れると石材の色が深まりとても素敵な景観になります。

資材の運搬や施工場所など限られた条件の中で工夫しながら進んでいます。職人全員が試行錯誤の毎日です。

少しずつですが流れの全体像が見えてきて、職人たちも一層力が入ってきたのではないかと思います。この空間にせせらぎの音が響くよう、素敵なお庭をつくりたいという思いを強く持って取り組んでいきたいですね。

次回の更新もぜひお楽しみに。