近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

なめらかは、はやい

作成者: 松本 友香里|2020年3月19日

こんにちは。

事務所の玄関には常に季節の山野草や草花が飾られています。こちらはなんの山野草かしらと思っていたら、なんとクレマチス!よく見たら花は確かにセンニンソウ属…、小さいながらも女王の風格ですね。

ささやかですが、季節を感じることができる草花があると心の穏やかさが違うような気がしますね。→

 

手順良く進むお庭の工事

現在施工が進んでいるこちらの現場。前回のブログの中でお伝えしたように、こちらの現場では崩れ積みをしております。お庭が左右に分かれていて、片側の石積みは完了しているので、現在はもう片側の石積みに取り掛かっているところです。

これが出来上がるとお庭の全景がわかるようになるかと思います。完成が待ち遠しいです。

そしてこちらは完了した石積みの上段。乱張りを施しているところです。こちらの乱張り部分にはお客様が入って頂くことができます。手前の下地が施してある部分にも新たに板石の園路を造っていきますよ。

ここにあった今までのお庭も造った当時の思いがありとても素敵だったのですが、新しく生まれ変わるということで、より多くの人々がお庭に立ち寄っていただける設計になっています。その中で既存の石や階段等は残し、勿論建物は明治時代の物ですので、新旧がきちんと融合するようお庭を造ることが私たちが繊細に気をつけていかなければならないところです。

ここの現場は工期がきっちりと決まっていることもあり、職人たちは常に気をつけて作業しています。悪天候に見舞われた時でもすぐに作業できるようブルーシートでテントを作る準備をしていたり、高低差のある現場なので作業場所を順番にしていくことで効率良く現場が動くように考えていたりと常に試行錯誤で挑んでいる現場でもあります。(他の現場も往往にしてそうなのですが)

「ゆっくりはなめらか、なめらかははやい」この言葉は私が学生の時にバイトしていた造園屋さんで教えてもらった言葉なのですが、早くやろうとせずに滑らかに動いたら仕事も自然と早くなる、という意味でした。

きちんと工程の計画を決め、自分のすべきことをわかった上で動きスムーズに作業に取り組むことで、作業のスピードは自ずと早くなっていくのですね。手を抜いているわけでもないのにスピードがあるのは、職人みんなが自然とこのように動けているからではないでしょうか。

さて、工事も中盤を越え、完成に向けて進んでいきます。このままスムーズに進めていくことを心がけて無事に美しいお庭に出会えることを楽しみにしていてください。

新しい植栽の準備もしていますよ、どうぞお楽しみに!