近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

アートを通して自然と庭を考える

作成者: 松本 友香里|2019年6月6日

こんにちは。

事務所の裏にズイナが咲いています。あまり目立つ花では無いのですが、こういった控えめなお花が私は結構好きです。ウメモドキの花も小さく咲いていました。決して華やかでは無いのですが、咲いているのを見つけたら思わず眺めてしまうような、そんな魅力がありますよね。

 

私は植物が好きです。そして、あまり書くことはありませんが実は美術も好きです。植物が好きなのはこの仕事をしていたら想像はつくかと思いますが、美術や哲学を大学で学んでいたということもあり、休日にはいろんな展覧会に赴くのが好きです。

そんな私ですが、先日のお休みの日に京都のある展示を観に行きました。

ジェン・ボーというアーティストの個展です。

「より良い生態学的未来とすべての種における平等を考える」そんなテーマで開催されている個展です。いますぐ答えが出るような問題では無いものの、考えなければ永遠に無縁となりそうなテーマです。このアーティストは社会的に周縁化された人々、また雑草などに焦点をあて社会問題を提起していく作品を発表していますが、お庭に携わって仕事をしている私にはなんだか静かに衝撃で、考えさせられる展示でありました。

雑草は雑草ではなくちゃんと一つ一つの植物に名前がありますし、そこに生えるということはそこがその植物にとっては一番良い環境な訳で、私たちが造るお庭は綺麗なものではありますが、生態系的にはとても奇妙なものなのかもしれません。それは本当に自然にとって良いことなのかな、と頭を抱えてしまいますよね。

社会問題についてまで書いてしまうと長くなりすぎるので割愛しますが、私は良い職人でありたいと思う反面、懐疑的にお庭という文化を考えてしまうことがあるので悩むこともあります。ですが、自分なりの庭師という職業について考えていければ良いのかなと思います。 

こちらの個展で京都に生える雑草を食べさせていただき、いろんな葉っぱを食べましたが、まさかヤツデを生で食べるなんて思ってませんでした。(笑)

 

そんな貴重な休みを過ごし、私はお庭造りをしています。

灯篭は仮のものですが、だんだんとお庭の雰囲気が出てきたのではないでしょうか。石積みもとても綺麗ですね。犬走りの部分にも瓦を使用し一工夫しています。那智黒石で造ったお花の模様が可愛らしいですね。

私たちはお客様と打ち合わせをし、お客様と一緒にお庭を造っていくので、その期待に応えて素敵なものにしなければならないという気持ちで職人たちは現場に臨んでいます。やはりお客様に喜んでいただけることは何よりも嬉しい瞬間です。私たちが造る空間がお客様の癒しになっているのならそれは職人冥利に尽きると思うのです。

展覧会で思ったこと、私が日々お庭造りをしながら感じていること、そのどちらも大切な自分の思いだと思うので、私は私なりの答えを見つけられるようにお庭造りに取り組んでいければ良いのかなと思います。

お客様にとっての素敵な空間を緑というもので造り上げていく、自然の姿を大切にしていく。そのことを忘れないよう日々勉強ですね。

いつか雑草だけのお庭を造ってみたいなと考えてみたり。綺麗にできるとかっこいいような気がします。