近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

デザインあ展、に行きました

作成者: 松本 友香里|2020年1月26日

こんにちは。

自宅近所のロウバイの蕾がほころんできました。最も寒い時期に咲く香り高い花です。ロウバイの原産地である中国では、梅、椿、水仙と並んで「雪中の四友(せっちゅうのしゆう)」として親しまれたそうです。雪の中の友達、とは粋な呼び方ですよね。寒い時期に顔を覗かせる綺麗な友です。

 

デザインあ展

度々このブログでも私の行った美術展などのお話をすることがありますが、今回も先週末に訪れた展覧会について書こうと思います。

閑話休題ということで、お庭づくりのお話はまた次回…

今回私が訪れたのは、現在滋賀県の佐川美術館で開催している「デザインあ展」です。

Eテレ(教育テレビ)で放映されている番組が展覧会となっていることもあり、美術館の中は子どもたちで溢れていました。かと言って、子ども向けの展示内容なのかと言われればそうではなく、大人の私でも十分に勉強になる展示だったと思います。

一見意味が無いような奇抜な展示に見えますが、同じプロダクトでも大小様々あれば用途や実用が変化してきますよね。男女の人形もだんだんと抽象化していき、最後は丸と三角と四角で男女が表現されています。記号的な形だけでも男女と分かるのは自分たちが普段から街中で見かけるマークを覚えているからですね。普段は意識することが無いかもしれませんが、それだけ私たちの周りはデザインが溢れているのです。

私たちはプロダクトデザインをしている訳ではありませんが、考え方は共通しているはずです。過ごしやすい快適な空間に、センスの優れた庭木の配置、これらの考え方は分野は違うかもしれませんが、デザインに携わる全ての人たちにとって絶対に外せない大切なポイントですよね。

「デザインあ」が掲げるデザインのあり方として「物事の本質をしっかりと見出し、そこに工夫を加えることで、さらなる使いやすさ、美しさ、心地良さを実現することを目的としています。つまりデザインとは、人とモノ、人と人との関係を「より良くつなげる」ための観察・思索・知恵・行動のプロセスです。」としています。

お庭のデザインをする時も、全く同じだと私は思いました。商業施設のお庭や個人邸、様々なお庭がありますが、人と庭、人と人を繋ぐ空間をつくることが私たちのつくるお庭の一つの形だと思います。

 

今私たちが取り組んでいる池の造成工事も、そのお庭には常に人の存在があって、よりお庭を使いやすくそして美しくすることを目的としています。何かをつくる時に、デザインは何よりも先の工程になります。そこを外してしまうと、いくら作り手が頑張っても完全な良いものはできません。

つくる技術だけでなく、考える技術も養っていかなければならないと改めて考えました。

これを機会に、また気持ちを改めて仕事に取り組んでいけたらと思います!まずは今行なっている工事を頑張っていきましょう!