近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

ロシア大会への道、続く2021へ

作成者: 松本 友香里|2019年9月29日

こんにちは。

秋晴れの空の下、そば畑のそばの花が見頃を迎えております。稲穂の金色に輝き風にそよぐ様子も壮大で素敵なのですが、楚々とした淡い乳白色のそばの花もこれだけ咲いていると見事です。柔らかい絨毯のようですね。

今回は再びあの話題に少し戻っていきます…

 

2021 World Skills in Shanghai

先日、中国の昌邑(しょうゆう)で行われた造園の競技大会に出場した弊社の選手二人が無事に帰国しました。

先日ロシア大会が終わったばかりだというのに間髪入れずにまた大会へ。疲れが残り、ロシア大会で燃え尽きてしまったかな?と思いきや、

なんと結果は、金メダル!

作ったお庭と一緒に閉会式後の写真です。

今回の大会ではworld Skillsの本大会とは違い、中国に発つ前に図面が発表されていました。選手たちの図面は全部で5種類あり、1つの図面につき4チームが競い合う形式が取られたようです。海外から招待された選手が5カ国、中国の選手が15チームの計20チームが造園の技でしのぎを削りました。

今回の大会は中国国内の選手の強化・育成・予選などを兼ねていますが、招待された諸外国の選手共々、今回初めて海外の大会に参加した浦辻にとっては2021年に開催されるWorld Skills上海大会を見据えた良い経験になったのではないでしょうか。

競技時間の延長や、モジュール(日数によって規定された完成ライン)をクリアできるかなど、イレギュラーな出来事や時間に終われる作業、加えて慣れない環境の中での作業でしたが近江庭園の選手二人はとても頑張ったと思います!

宇都宮にとっては、より高い精度でお庭を完成させるための技術を身に着ける機会に、浦辻にとっては不慣れな場所でも自分の力を発揮するための技術を身に着ける機会に、お互い成長して帰ってきてくれたと思っています。

 

これからの職人育成は

今回はこういった機会に恵まれ、中国の大会に参加させて頂きましたが、日本の職人たちにももっとこういった機会があれば良いのに、というのを私個人として今回強く思いました。企業内で若手職人の育成に力を注いでいるところはありますが、国や自治体としてこれからを担う若手にもっと力を注いで行くべきだと思いました。

これからの日本の技を担っていく職人は今からが成長の時です。

今回の中国のように国で職人の育成に取り組む姿勢や、ヨーロッパにおけるマイスター制度の踏襲など、私たち日本の若手の職人を育成するためにできることはまだまだ沢山あると思います。

日本でもものづくりマイスター等の制度があるもののもっと普及していく必要性があると感じます。一子相伝の技術継承だけでなく、技術の出し惜しみをせずに若手に繋げていくことは重要です。

職人と呼ばれる職業はどの業界も衰退、縮小の一途を辿っています。少しでもそれを食い止められたら、私たちが技にこだわってお庭造りを続けている甲斐があるというものです。

こうして未来のある職人たちがもっと伸び伸びと技術を学べる機会と発揮できる場があればと思った今回の大会でした。

二人ともお疲れ様!