近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

夢見草

作成者: 松本 友香里|2019年4月11日

こんにちは。

 会社の近くのソメイヨシノが満開を迎えました。薄桃色の桜が、色んな人のそれぞれの春を見守っているようなそんな暖かい日が続いています。

桜には異名があり「夢見草」と呼ばれています。朧げな夢のように儚く、瞬間に散っていく様子からそう呼ばれていたのだと言います。春の良き日に、淡い薄桃色の花びらが散っていく様子はまさしく夢の中のように美しい情景です。

 

前回のブログでお伝えしたお庭造りの工事が一旦ひと段落し、私たちはさまざまな工事に取り掛かっているところです。

こちらの現場では、崩れ積みと植栽をさせて頂きました。

崩れ積みは石積みを得意としている近江庭園でもあまりすることのない工法です。貴重な石積みの工法を学ぶことのできた現場だったと思います。

植栽を入れたらこんな感じの仕上がりに。建築の落ち着いた造りと、無造作のようできちんと石の良さが出るように積まれている崩れ積みと、そして緑が瑞々しい草木たち。小さなお庭の空間ですが、要素がそれぞれ調和してとても素敵な仕上がりになっていますよね。

こちらの現場以外にも、私たちは日々お庭を造っています。

レンギョウが美しいこちらの現場は、近江庭園がお世話になっている近くのお寺のものなのですが、こちらでゆっくりと進行していた八尊仏の台座の工事が進行しています。

一緒に進んでいた大工工事の方が終了したので、次は私たちの番です。仏様に座って頂くための台座を造っていきます。

間知石を積み、その上に御影石で台座を形作っていきます。

この御影石の中に土間を打ちその上に仏様が座っているような形です。普段はいくつかの現場に分かれて作業していることが多いのですが、この日は色んなスケジュールが噛み合い、久々にみんなで現場に入ルことができました。やはりみんなで作業していると捗りますし、自分も動かなければという気持ちになり、作業に身が入ります。

どんな仕上がりになっていくのか楽しみですね!

 

先日、京都に用事があった際に、たまたま六角堂に寄ってみたところ、見事な景色を拝見することができました。今週末で桜もそろそろ見頃が終わってしまうでしょう。この夢のような情景を、今年もしっかりと見届けることができて良かったです。皆様も良い週末をお過ごしくださいませ。