近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

天端を美しく積む

作成者: 松本 友香里|2020年7月5日

こんにちは。

先週は雨の日が多く、びしょ濡れで作業する日もしばしば。

熊本の豪雨災害が心配です…、自然は私たちに癒しを与えてくれることもありますが、改めて自然の力の強さ、恐ろしさを実感します。

 

石積みの修行中

現在取り掛かっているこちらの現場は石積みを意匠として取り入れている部分が沢山あります。なので私が現場に出られる時に石積みを行っているので、今回とても石に触れる機会が多いです。

先週半日だけ現場に出た際には、天端(てんば)石の積み方のノウハウを教えてもらいながら実践してみました。

写真では少しわかりにくいですが、一番上の石はなるべく平らで面が綺麗なものが使用されています。石積みの高さが線を引いたようにピシッと揃って積まれているととても美しく見えるのです。

中間の石がいくら綺麗に積まれていたとしても、仕上げの天端の部分がガタガタに積まれていては綺麗に見えることは無くなってしまいます。最後の仕上げの部分ですので、ここで気が緩んでしまってはいけません。石を選別する際にも職人たちはとても気を付けて選んでいます。

この中の一部分ですが、私も積ませてもらった部分があるのですがいかがでしょうか?

まだまだ石の美しい面を見極める力や積んでいく技量が少ない私ですが、このような機会を大切に石と共に経験も積み重ねていけたら良いなと思います。

最近はやっと思い通りの石の場所を割ることに慣れてきたのですが、道具の使い方からきちんと覚えて極めなければならないとなると、一人前の職人になるということがとても長い道のりであるということがわかります。

良い職人になるために、しっかりと着実に歩んでいけたらと思います。