近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

庭の中のお花

作成者: 松本 友香里|2019年7月14日

こんにちは。

会社の近くではノウゼンカズラの花が綺麗に咲いています。ひときわ目を惹く橙色をしているので、辺りがパッと華やかになっていきますよね。ノウゼンカズラに限らず、どんなお花にも言えることなのですが、お花はやっぱり気分を晴れやかにさせたり明るい気分にさせてくれたりしますよね。

お庭に咲いている花を見付けたら、とても嬉しい気持ちになります。

 

お花の表現

お庭の中で欠かせないのは植物ですよね。枯山水のように植物を使わないお庭もあると思うのですが、やっぱり、生命力や癒しのあるお庭にしようと思った時には植物というのは大切な存在だと思うのです。

四季を感じさせてくれるのは、植物の成長や葉の色の移ろいですし、花が綻んでいく姿を見るととても心が動かされますよね。

今回訪れたのは、こちらのお庭です。以前から何度か来させて頂いているお庭なのですが、本格的にお庭の工事がスタートしました。

お施主様に「瓦で牡丹のような模様を描けないか?」と言われていたこちらのお庭。私たちは牡丹を植えさせて頂くことはあっても、お庭に牡丹を描くというのはそうそうありません。どのように表現したら美しいだろうか検討しながらのお庭づくりです。

そして、辿り着いたのはこんなデザイン。

こちらはまだ仮置きですが、東福寺の庭を彷彿とさせるようなモダンなデザイン。瓦の曲線がだんだんと柔らかい花びらの線に見えてきませんか?

この瓦と瓦の間に砂利を敷いていきます。

まさかピンクの砂利を敷くとは!

色を使って本当に牡丹を描いています。この発想は私にはなかったので、新しいお庭の表現を見ているような気がします。確かに牡丹に見えてきます…。牡丹の真ん中の部分にきちんと排水施工もしてあるので安心して水鉢も使っていただけます。

一見とても派手なのですが、砂利の真新しさが薄くなってきたら、とてもかっこいいお庭になっていくのかと思います。お花を使わないのに、お花の華やかさが出ているお庭です。

こちらのお庭はまだもう少し手を加えるので完成ではないのですが、施工前と比べて格段に華やかになっているのでお施主様も驚いていらっしゃいました。「綺麗なお庭ありがとう」と言ってくれて嬉しかったです。

新たな試みでしたが、お花のないお庭でお花の表現をするという面白いお庭づくりでした。

 

仕上げまであともう少しです。完成までしっかりとお庭造りをしていこうと思います!