近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

思いのこもった庭育て

作成者: 松本 友香里|2021年3月21日

こんにちは。

梅は百花の魁(さきがけ)という言葉があるように寒い時期から一番に咲くのが梅の花ですね。その梅の花も見ごろを終え、最近は河津桜やハツミヨザクラが開花し、どんどん桜の蕾がほころび始めております。桜が咲くといよいよ春本番といった雰囲気が出てまいりますね。早く軽やかな空気が皆様に届きますように。

 

育てていくお庭

先日、一昨年近江庭園で施工したお庭のメンテナンス兼植え替えを行いに行って参りました。

お客様が大切にお庭を管理してくださっているので、苔も綺麗に育っています。どうしても日に焼けてしまう部分と適度な木漏れ日の入る部分があるので、良く育っている部分と少し苔が薄い部分もありますが、下草含めて綺麗にお庭が保たれていたので、久しぶりに訪れとても嬉しい気持ちになりました。

今はまだ木々も芽が出ていませんが、春になると緑が溢れ、一層涼やかな空間になります。

今回は灯篭の裏の木を植え替えさせて頂きました。やはり、京都の蒸し暑い夏に耐えられなかった木も出てきました。今回植えた木は無事に育ってくれることをお客様と願いながら作業をし、枯れ枝の剪定とお掃除をして作業を終えました。

新芽がもぞもぞと動き、開いてきています。これからの季節が楽しみですね。

植生を考えたお庭づくり植物選びはとても大切ですが、お客様の思いも同じくらい大切ですので、そこのバランスを考えて植物選びや庭づくりをしていかなければならないと強く感じます。そして、こうして自分たちの作ったお庭をお客様とずっと一緒に育てていくことがこの仕事にとって最も大切な部分で、つくって終わりではなく、続いていくのがお庭づくりであると、改めて実感しました。

お客様と、お庭を育てていくパートナーとしてずっと伴走していける職人になるために、日頃から心がけて仕事に取り組んでいこうと思います。