近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

手間暇惜しまず丁寧に

作成者: 松本 友香里|2021年7月4日

こんにちは。

今の暦は「半夏生(はんげしょうず)」という季節です。先日お茶のお稽古に行った際に綺麗に半分おしろいをはたいたかのようなハンゲショウが飾られており、季節がもう7月になったことに驚いています。半夏生の時期の雨は「半夏雨(はんげあめ)」と言い、大雨になると言われています。梅雨の終わりごろの雨は送り梅雨といい豪雨が降りやすくなりますので、実際この季節には大雨の被害に遭うこともあるかもしれません。皆様も急な雨にはお気を付けてお過ごしください。

 

風通しの良い木塀の作製

新しい現場が始まっております。今回のお庭は見晴らしの良い小高い場所に建っている平屋のゆったりとした建築につくります。

お施主様とお打ち合わせをし、レンガ敷のアプローチや木塀の仕様など今回の工事はまた普段の近江庭園のお庭とは一味違う仕上がりになるのではないかと思っております。

木製のルーバーフェンスです。下半分はいわゆる大和塀のような互い違いに板をはりつけた仕様になっており目隠しと風通しの両方の機能を兼ね備えた木塀になっております。上部をルーバーにしたことで庭全体の風通しを確保ししつつ、建築が小高い場所にありますので下からの目線を遮ることにも成功しております。

写真でお分かりいただけますように、柱が前に出てこないよう、板一枚一枚に斜め切りの切り欠き加工を施し自然に木材が繋がっているように見せています。

こちらが非常に難しい作業で、丁寧に板を作成し、通りに気を付けながら慎重に取り付けていきます。

いつもお世話になっている大工さんに助けてもらいながら、スタッフたちは高いところもものともせず丁寧な作業をしていきます。(私は高いところが苦手なため足場の上でも怯えながらの作業でしたが…)みんなの頑張りもあり、木塀は美しく仕上がっております!

このような手間暇を惜しまない丁寧な作業を常に心がけて、これからもお庭づくりに励んでいきたいと思います。

こちらのお庭の作業はこれからも続きますので、続報をまたお知らせできたらと思います。どうぞお楽しみに。