近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

春に向けての仕込み

作成者: 松本 友香里|2021年1月28日

こんにちは。

寒さが厳しいですが、季節はもうすぐ冬を終え立春へ…。春の兆しはまだまだ遠いのかと思いきや、落葉樹の枝先には既に冬芽が膨らみかけ開くのを待っている木々たちばかりです。日の出や日の入りの時間も徐々に長くなってくるのを感じるかと思います。毎年同じように季節は巡ってきますが、同じ季節は二度とないのですよね。去年に引き続き、制限のある日々を送っておられる方もいるかと思いますが、今年の春は少しでも明るいものになりますよう願っています。

 

春を待つお庭に

先日、昨年ずっと工事に入っていたこちらの現場に行ってきました。

下草がもりもりと育って本当に森の中のような植栽になってきました。高木たちもひと夏をちゃんと超えて、今年の春の芽出しの時期にはさらに力強く根を張って育っていくことと思います。

お庭の中を探してみると、冬でもクリスマスローズやサザンカなどの花は咲いており、華やかではないですが、ひっそりと広いお庭の中で頑張って寒さを耐えています。地上部の無くなっている宿根草もありますが、土の中では暖かくなるのを待っているのかと思うと、早く芽が出てきてほしいなと感じます。

時期的にはかなり遅くなってしまったのですが、先日球根も植え付けました。冬に植えると開花の時期がずれてしまったりうまく冬を越せなかったりする可能性があるのですが、元気な球根を植えたので、無事に成長して春~初夏の森を彩るようになってくれたらと思います。(球根は大半秋植えなので、反省です…)

枝だけになっている木々も多く、新緑の季節にはどんな表情を見せてくれるのか楽しみでなりません。

お庭は年月をかけて楽しむものです。計画をする際も季節によってどんな見え方をするのか、どんな植物を配していけば美しいのかなど、季節ごとの風景を思い浮かべながら仕事をします。このように仕事ができるのはお庭づくりの特筆した点であり、どんどん夢のお庭の想像は膨らんでいきます。

その夢のお庭をきちんと形にしていくためにも、常に手をかけることや次の季節のためにしておくべきことなど、沢山のすべきことをしっかりとこなし、私たちはお庭をつくっていくのです。

とにかく今春が楽しみな現場です!