近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

春を駆け抜けたお庭

作成者: 松本 友香里|2020年4月16日

こんにちは。

仕事では外に居ることが基本なので、静かな街並みを見ていると日常が戻ってくるのはまだまだ先のような気がして少し気分が落ち込みますが、こんな時でも元気に咲いている花たちを見ているとだんだんと気分が穏やかになっていきます。

こちらは一重咲のバラです。元々八重咲きのものより、一重咲きの花が好きなのですが、このバラも豪華ではないですが、品があってとても素敵ですよね。バラの品種の多さ、奥深さには常々唸ってしまいます…勉強不足を痛感するお花の一つです。

 

いよいよ最終のスパートへ

前回の記事の中でご紹介したお庭の工事がいよいよラストスパートを迎えております。

お庭の至る所が最終に向けての段階になっており、お庭のアウトラインは完全に見えているので、ここにどのように味付けをしていくのかという、とても難しい所に差し掛かっております。

駐車場はいつの間にか完成しており、とても迫力があります。切石で施された車止めも良い感じですよね。お隣さんとの境界に作った木塀も、建築に施された格子と繋がりを持っており、庭と建築の調和が取れるように工夫されています。

小さな遊び心も忘れません。真砂土舗装の中にもトンボや花が散りばめられています。このような意匠を施すのにも、石の配置の間隔やバランスが重要で意外と綺麗に見せるのは難しいものです。このような細部へのこだわりを大切にしていきたいですよね。

あられこぼしも完成しました。苔や山野草が入った後のこの景色がどうなっていくのか楽しみで仕方ありません。桂離宮のあられこぼしは歳月を重ね、石の目地が苔生し自然と一体化しています。こちらのお庭もそのようになっていくのでしょうか。私たちはそれを見届けることが出来るようお庭と真剣に向き合っていけたらと思います。

さて、春の間駆け抜けたこちらの工事、いよいよ終盤です。

ここから更にどのように変化していくのか、皆様楽しみにしていてくださいね。