近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

来年の姿を思い描いて

作成者: 松本 友香里|2021年9月5日

こんにちは。

最近の朝は気温も低く、秋霧が山の麓の方まで立ち込めている日もあります。すっかり夏の影が鳴りを潜めて、一気に秋に季節が進んでしまったようです。私の家の近くの田んぼでは稲穂がだいぶ大きくなり、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の意味を噛み締めます。私も成熟していくにつれどんどん謙虚になっていくような人になれるよう稲穂を見習わなければなりません。

 

来年の初夏にまた綺麗な姿で会えるように

雨続きで少し太陽が恋しい最近です。お庭の植物たちも潤いは十分なので、そろそろ日光を求めている頃とも思います。そんな天候が芳しくない日が何日も続いていますが、私たちは雨であってもできる作業は行います。

先日は季節のお花事業部で管理している山紫陽花たちの手入れを雨の中行っておりました。

枯れ枝や花がらを摘み、次の季節により良い姿になるように鋏を入れていきます。植物は既に来年の花の時期に備えて成長をしていきます。冬に葉を落とし、休眠していきますがその前に草姿を整えてあげることは来年の春に向けて大切な作業です。

植物は常に成長を続けます。私たちのような植物を扱う時間が長い人は植物の歩調に合わせなければなりません。毎年、同じ時期に綺麗な花を咲かせてもらえるように、手間暇かけてお手入れする必要があります。

沢山の山紫陽花たちすべてにこの作業を施すのはとても大変なことですが、来年の姿を思い描きながら作業をするのは少しウキウキすることでしょう。

来年の紫陽花の季節に美しい花と空間が皆様のもとに届くよう、今日も私たちは雨にも負けず励んでいこうと思います!