近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

森と私たち

作成者: 松本 友香里|2020年4月9日

こんにちは。

会社のご近所のハナモモの花が満開を迎えています。息つく間もなく次々に花が咲き、百花繚乱といった様子です。世間では春の到来を喜んでいる場合ではないほど苦しい話題で溢れていますが、私たちのブログや植物の様子をご覧頂くことで少しでも癒しになれば幸いです。

そんな私は先日リモートお花見を自宅で行いました (オンライン電話をつなぎ各々持ち寄った桜の画像を見るという会でした…🌸)

もちろん、私たち近江庭園の職人たちも感染予防に勤め十分に気をつけてお庭づくりをしていきます。

 

空に近い伐採

こちらは近江庭園がお手入れに入らせて頂いているお寺の墓苑です。山を少し登ったところからみる景色は美しく、遠くに琵琶湖も覗いています。

そんな大切なご先祖様たちのお墓に樹木が迫ってきているとのことで、今回のお仕事は伐採のお仕事です。

工事がひと段落し、久しぶりに樹木とにらめっこです…

20mはゆうに越しているだろうという大木に登っていきます。真隣がお墓なこともあり、切って倒すというだけの作業ではなく、少しずつ慎重に下ろして行かなければなりません。非常に根気の必要な作業です。

高木の伐採に長けている職人を呼び、山での高木の伐採の流れを教示して頂きましたが、まず私にはあんなに高いところに登ることさえできず、ただただすごいとしか思っていなかったのが現実です…。

今回この伐採のお仕事をするにあたり、私たちが普段使っている木材などはこうして森に入り木を切ってくれる人たちの苦労あってこそだなと改めて感じました。一本の木を切るのにも大変危険が伴いますが、なくてはならないお仕事ですよね。最近では間伐材を使用した製品や木材なども多く普及し、森林や材木と人のかかわり方が沢山考えられるようになってきています。

今回のお墓に迫る樹木の伐採もそのかかわり方の一つですよね。大きくなりすぎた樹木は自然な姿でありますが、危険な時もあるということです。自然災害の多いこの国で暮らすということ、もっと考えなければなりませんね。

実は伐採が終わった後、樹木の切れ端を少しだけ持ち帰り、切れ込みを入れ「スウェーデントーチ」を作ってみました。今は樹木の水分が抜けるのを待っている状態です。大きなヒノキを伐採しましたので、香りが良く燃えるのではないかと思います。

これも森とのかかわり方の一つですね。私たちは自然を相手にする仕事をしています。さらに深く自然とかかわっていく、自然を楽しむことを提案、実現するために日々試行錯誤していけたら良いなと思います。

今は外出もままならないですが、早くこの事態が終息し思い切り外出ができるようになることを願っています。皆様もどうかお気をつけてお過ごしください。