近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

植物によるお庭の仕上げ

作成者: 松本 友香里|2019年11月14日

こんにちは。

近江庭園の玄関に、綺麗に咲いた大文字草が飾られています。華やかな躑躅色(ツツジ)ですね。最近では周りの木々の紅葉が始まり葉が落ちてゆくので、一気に寒々しい雰囲気になってきましたが、まだまだ植物たちは元気なものも沢山。 → onlineshop

冬でも私たちを穏やかにさせてくれる植物にはやっぱり何か力があるように感じてなりません。

 

植栽で庭を盛り上げる

いよいよ終盤のこちらの工事

植栽が徐々に入っていき、一気にお庭に躍動感と生命感が出てきました。

既に落葉しているものもありますが、新緑の季節がとても楽しみな樹木たちが植栽されていきます。家の直線のラインと植物の有機的な曲線はやはり相性がよく、お互いがお互いを引き立て合っているのが、植物が入ったことによってよくわかります。石だけの空間も硬質でかっこいいのですが、植物の柔らかさには安心感が生まれますよね。

落葉樹と常緑樹が混ざっていますので、冬の季節にも緑があり、季節を通してお庭を楽しんでいただけるようになっています。

水鉢を作ってしっかりと植物を養生していきます。寒くてもやはり根を切られた植物たちは弱りやすいです。春に元気に活動してもらうためにも大切な作業ですね。

高木と一緒に下草も徐々に植えられ、次第に地面を覆っていきます。

まだ植えたばかりで真新しさの抜けない植物たちですが、これから何年も経過して、植物たちもしっかりと腰を落ち着け根を張り、このお庭の中で生きていく様子を思うと、この仕事の醍醐味が見えてくるようでとても感慨深い思いになっていきます。

お庭は製品と違って時間が経てば経つほど味わい深くなっていくものです。古いからと言って捨てられることもなければ、毎年表情の違う植物たちの変化に驚かされることのほうが多いでしょう。

そんな風にお客様にお庭を楽しんでいただけるよう、私たちがしっかりとお庭に向き合って造っていかなければなりませんし、長い時間をかけてゆっくりとお庭で過ごす時間の流れを今一度この忙しい時代に思い出す必要があるのだと思います。

工事も残すところあと僅か…。最後までしっかりと仕上げていきましょう!