近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

技術の伝承

作成者: 松本 友香里|2019年8月8日

こんにちは。

毎日抜けるような青空が続いています。夕立があると一気に気温が下がって、草木が潤い喜んでいるようにも見えますね。暦の上では涼風至(すずかぜいたる)という季節ですが、この名前とは裏腹に猛暑日に喘ぐ毎日です。少しの風でも涼しく感じるこの季節、熱風ではなく清々しい風が吹いてほしいものですね。

私たちも毎日汗だくになりながら仕事をしています。こまめな水分補給と休憩が大切です。皆様も熱中症などにならないよう、お気をつけてお過ごしください。

 

技を継承する

先日、近江庭園の会長である寺下弘のインタビューが京都新聞さんに掲載されました。

若手技術者の育成と技術の継承に情熱を傾ける現代の名工ということでご紹介頂きました。

こちらの記事に掲載されている通り、現在会長は私を含め多くの若手技術者に造園における技術のいろはの指導をしております。講習の機会を設け技術指導をすることもありますが、近江庭園で働く私たちは毎日の会長の仕事を見て学びを得ております。

現在石積みをしているこちらのお庭造り。20メートルを超える石積みをしているため、私たちも気合いを入れて取り組んでいます。

会長がいつも言っていること「石の大小の強弱の付け方」「石張りになってはダメ。石の表情や険しさを表現しなければ」私たちはこの言葉を毎日聞いて意識しながらこの石積みに取りかかっています。表面が綺麗すぎてはタイルを張っているのと同じ、というのは会長の考え方です。素材の良さを追求するお庭造りというのはそういった考えから生まれてくるのでしょう。

炎天下を物ともせず、自ら指揮をとり現場を進めていきます。職人に定年は無いという言葉通り、会長はずっとお庭に向き合って進んでいく人なのだと思います。

私たちもそんな姿勢を見習ってお庭に向き合ってゆけたらいつか会長のような技術を持った職人になれるでしょうか?

そして無事に仕上がったこちらの石積み。家の前面を囲うように積まれています。

積み終わって改めて見てみると、とても格好良く出来上がったのではないかと思います。建築が立派なので見劣りしないものを造らなければ、と気合いを入れていた甲斐がありました。こちらの石積みはこれから家を囲う壁の下の部分になります。

さあここからどのような変化をしていくのでしょうか。お楽しみにお待ちくださいね。

ちなみにこちらが着工前。どんどん変化していくお庭の成長が今後どうなっていくのか楽しみです。

会長が先陣を切って進めているこちらの現場。会長の背中を追って、私たちも技術を継承できるよう、こちらの現場で学んでいこうと思います。

暑いですが、頑張っていきましょう!