近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

目線の通りを考える

作成者: 松本 友香里|2021年10月21日

こんにちは。

急に気温が下がり、冬物のジャンパーを着て出勤する季節になりました。会社の大きなケヤキの木も落ち葉がだんだんた増えてきて、一気に秋の様相です。秋を通り越しすぐに冬になってしまいそうな勢いですが、どうか暖かくしてお過ごしください。

 

ひとの動線と目線を考える

こちらの現場ももう少しで完了となります。先日は植栽作業をさせて頂き、苔や樹木を入れましたので、雰囲気がまた一段と変化したかと思います。

建物の関係で窓の側に高いものが植えられず、奥行きをどう表現するのかで非常に苦心していました。こちらを訪れるお客様は2枚目の写真の位置からお庭を見ることが多いと思います。飛石が奥に続いていくように据えられているので、雰囲気を損なわぬように植栽も気を付けなければなりません。

道路や駅から歩いてくる人にとっては非常にインパクトのあるエントランスになったのではないかと思います。大きな石積みが目を惹き、苔の鮮やかな緑と雑木の柔らかな線が石積みとマッチしていて美しい空間になっていると思います。

正面から見てもとても立派ですね。店内へのお客様の動線を斜めに設けたことで中に入る時の期待感がより高まるような設計になっています。施工中にも道行く人に「これは穴太積みですか?」「この赤い実の木はなんですか?」と尋ねられることが多々あり、さまざまな人の目を惹く仕上りになっているんだなと感じました。

こちらもあと少しで完成なので、最後まで美しく仕上げられるように頑張っていきたいと思います。