近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

空間づくりを考える

作成者: 松本 友香里|2019年9月19日

こんにちは。

すっかり秋の空気ですね。自然と木漏れ日の光も橙色になっていくように感じます。

植物たちも夏の旺盛な勢いがだんだんと落ち着き、しっとりとした雰囲気になってきました。夏までは飛び回っていたツバメたちもそろそろ暖かい場所に飛び立つ頃です。まさに「玄鳥去(つばめさる)」という暦通り、夏は去っていってしまったようです。

 

空間で気分はつくられる

先週末、私は群馬県のとある場所で休日を満喫していました。

新潟県にほど近いとあるゴルフ場で行われている野外フェスに参加し、キャンプを存分に楽しんでいたのですが(実は小さい頃ボーイスカウトをしていました)、その会場の装飾や空間演出など、お庭の空間演出にも通じるものがあるのではないかと思いながら過ごしていました。

山の中の中、会場では私の携帯は電波の調子が悪いほど普段の生活からかけ離れた大自然の中にありました。三角形のガーランドが会場内いくつも見られ、そよ風に揺れているのを見ると何とものんびりとした気分になっていくのでした。

起伏の多い会場ですが、その起伏には人々が寝転がり小さな子供たちが駆け回って遊べる工夫がされていました。ゴルフ場というのもあり近くの山々が抜けて見えるように切り開かれていたり、自分が自然の中に包まれていると感じられる演出がそこかしこに施してあります。あえて舗装されていない山道を歩くような動線が設けられていたり、効果的な場所にフォトスポットやベンチを設けたりと自然を楽しんでもらうための仕掛けが沢山ありました。

夜間の照明やライトアップも自然の炎を使ったキャンドルや焚き火など、キャンプ・自然の世界観を作るように計算されて照明計画が立てられていて、私たちは真っ暗な夜の山の涼しい空気を存分に味わうことができました。

「山と音の遊び方」というスタイルを掲げているので、この二つが上手に共存できる会場作りがなされ、私たちはその会場の中で同時に二つを存分に味わい楽しむことができました。来場者が求める雰囲気、気分を把握し、計算された空間作りができていなければ楽しい気持ちは生まれないですよね。

 

お庭の空間演出

お庭も同様に空間の演出が欠かせません。飛び石の配置には流れやストーリー、役割が感じられるように工夫が必要ですし、夜間の照明や季節ごとの植物など、お施主様がお庭を見て楽しみを感じられるように私たちも演出を考えて施工しなければならないですよね。

茶庭などは特にそうなのですが、人の流れや作法の動き、それに合わせてお庭の流れと形があり、静けさを演出し、お庭を歩く間にお茶室に向かう気分を整える働きがあります。これらもお庭の空間演出によって気分がつくられていますよね。

もちろん茶庭だけでなく、それは個人のお庭でも同様で、お施主様の気分が落ち着く、癒される、楽しくなる、そんなお庭の演出をしていくのが空間作りでおいては大切です。植栽の効果的な位置や竹垣、石積みなどの造形物の効果、それらを考えながら総合的な空間に落とし込んでいく作業は大変ですがやりがいがあります。それらの要素が主張しすぎて喧嘩しないよう、バランスの取れた空間づくりを心がけたいですよね。

そうして考えられたお庭の空間はお施主様にとって、きっと良い心地を生み出す空間になっているはずです。私たちはそんな空間づくりを目指して、日々色んなことに目を向け様々な工夫を吸収していかなければならないのだなと思います。

今回の私が参加したフェスはただ楽しかっただけでなく、改めて空間づくりについて考えられた良い休日になったと感じます。空間が良ければ気持ちも変わる、というのをしっかり頭においてこれからもお庭づくりに取り組んでいきたいですね。