近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

立派に生まれ変わった鐘楼

作成者: 松本 友香里|2021年7月1日

こんにちは。

梅雨らしい天気が続き、作業が中々思うように進まないこともしばしばの日々です。ですが、雨に濡れた植物の美しさや雨上がりのしっとりとした空気はこの季節にしか味わえない良さもあり、短い梅雨の時期をもっと楽しもうと思えます。作業がもっと効率よく出来るように工夫をしていかなければなりませんね。

 

技の詰まった鐘楼に

以前ご紹介したお寺の鐘楼の移築計画がほぼ完成を迎えています。寒い時期から暑い時期にかけて、非常に長丁場の現場でしたが、大工さんや瓦屋さん、そして近江庭園、それぞれの技術を結集させて立派な鐘楼がでっきています。

近江庭園は石関係の仕事をさせて頂きましたが、大工さんは2か月かけて彫刻を施し、美しい懸魚の文様や破風の見事な曲線が素晴らしい出来栄えです。職人の手仕事というものを生で見られる機会は中々ありませんので、貴重な瞬間だったと思います。

こうして、古いものを大切にして技術を残していくことは、未来の日本への財産であると感じます。歴史を重ねるごとに薄らいでゆく伝統ではなく、更なる歴史を紡いで行けるような伝統を守ってゆきたいと思います。