近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

緑生す晩夏・初秋

作成者: 松本 友香里|2021年8月29日

こんにちは。

残暑が厳しいですが、季節は既に初秋。日がだんだんと短くなってきたのを感じます。「天地始粛(てんちはじめてさむし)」という暦ですが、暑さの勢いが徐々に和らいでいく時期という意味です。今はまだ苦しい暑さがありますが、これから過ごしやすい気候になり、いつの間にか冬になっていることでしょう。

 

苔生育の難しさ

私たちはお庭をつくるうえで苔のお庭をつくることがよくあります。苔のお庭は灌水や日照条件など多くのことがぴたりと当てはまるととても綺麗に成長していきます。近江庭園のお庭はまさに雑木の木漏れ日と適度な湿度が重なって苔にとっても良い環境となりました。

今年の夏は雨が多かったこともあり、苔が乾いた様子もなく瑞々しい空間になっています。

管理で出入りさせて頂いているお庭も夏にはいつも苔がダメージを負うのですが、今年の夏はなんとか乗り切っているような気がします。新しい苔を補植したり、土壌を変えてみたりと試行錯誤しているのでゆっくりですが、環境が良くなってきたと信じて継続してお手入れをしていこうと思います。

補植をした苔も地苔として自然に馴染んでいけば良いですし、日々のこまめなお手入れを通して苔の育ちやすい環境をつくっていけたらと思います。やっぱり苔のお庭は落ち着いた気持ちになりますね。石や樹木との相性も良いですし、これからも近江庭園は苔のお庭をつくっていくと思いますので、日々勉強を重ねていけたらと思います。