近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

背筋の伸びる空間

作成者: 松本 友香里|2020年12月17日

こんにちは。

今週から急に季節がさらに進んだような気がいたします。朝夕は身を切るような寒さになりましたね。

木々も落葉して景色が寂しくなってきましたが、意外と冬にも咲く花は多く、足元や上に目を向けてみると、厳しい季節でも健気に咲く植物たちが見つかると思います。

 

青竹で新年の設え

今年も一年が終わろうとしておりますが、暮れの作業として毎回行っている作業に今年も行って参りました。

苔を貼り替え敷き松葉を行い、お庭の全体にお水を打っただけで背筋がぴんと伸びるような露地の静かな冬の情景が生まれました。モミジの葉は紅葉を残しておりましたが、すべて手で払って落とし枝を露わにしました。日中の時間が短い冬の期間ですが、今まで茂っていた葉がすべて落ちたので、お庭は明るくなり今まであまり日光が当たらず我慢していた低木たちが生き生きしているように見えます。

青竹の美しさが露地全体の凛とした雰囲気をさらに深くつくりあげてくれています。竹の雨樋、筧、井筒の蓋…、綺麗になった露地を見ると一年のまとめを行ったような気持ちになります。まだあと2週間ありますので気を抜けないのですが、今年もすっきりと綺麗になった露地を見ることができてよかったです。

さて、残りの仕事も綺麗に仕上げられるよう、張り切っていきましょう!