近江庭園のお庭トーク | お庭づくりに技術と情熱を込める庭職人のストーリー

花咲き乱れる季節に

作成者: 松本 友香里|2021年4月29日

こんにちは。

現在の暦は「牡丹華(ぼたんさく)」という暦でありますが、今年は暖かくなるのがとても早かったのか、近江庭園のボタンは終わりかけです。百花の王というだけあって、牡丹の花の華やかさは思わず目を奪われます。白や黄色といった花色も淡く素敵ですが、この深紅の花がパッと咲いているのを見ると王者の風格がある植物だと感じます。

 

新たなお庭との出会い

現在さまざまなお庭の工事を進めている傍ら、先日私は新たなお庭づくりのお話を伺いに彦根市まで行ってきました。同じ県内とはいえ、湖の反対側の景色はまったく違うもののように見えました。彦根城を横目に見ながらしばらく進むと、お客様のお庭があります。

ブルーベリーやクリスマスローズの花が沢山咲き、ハナミズキの幹の向こう側、ここから覗くお庭の風景が素敵だったので写真を撮影させて頂きました。

今回ご相談を頂いたお客様は私が入社してすぐにお庭を作庭させて頂いたお客様のお母さまのご自宅でした。以前お庭づくりさせて頂いた我々のことを覚えて頂いており、ご自宅のお庭のデッキをやり替えることになったのでお声がけを頂きました。有難いことですね。

大きなケヤキがデッキに木漏れ日を落とす素敵なお庭です。このケヤキや元々のお庭に植わっている樹木がより楽しめるよう、ウッドデッキは既存のお庭と調和したものをつくりたいと思っています。板の貼り方や手摺部分の意匠が細かくつくられているので、それに見劣りしないようにこちらも素敵なご提案を考えなくてはなりません。

お庭づくりを近江庭園に、とご依頼くださったこのご縁を大切に、慎重に丁寧に、お庭と向き合っていけたらと思います。

お客様とお庭についてお話していると、お客様自身の思いとお庭がリンクしていることがわかり、お庭が生活の一部に溶け込んでいることがとても伝わってきました。どんな日にもお庭はさまざまな表情を見せて私たちの生活のそばにあります。毎日接する空間だからこそ、より素敵な空間に仕上げることが大切です。

お庭づくりをお考えのお客様は、皆様さまざまな思いをお庭という空間に託します。その託されたお客様の思いを無下にすることの無いように、私たちはお庭づくりに真摯に取り組んでいかなければならないですね。

改めて背筋の伸びる思いでした。これからもその気持ちを忘れずに頑張っていきたいです。